コンテントヘッダー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
コンテントヘッダー

かたみ歌 朱川湊人

かたみ歌 かたみ歌
朱川 湊人 (2005/08/19)
新潮社
この商品の詳細を見る


<昭和40年代の歌とともに、紡ぎだされる不思議な話>

直木賞受賞作、名作「花まんま」と、この「かたみ歌」といった対になる代表作といってもいいと思います。

昭和40年代の東京の下町「アカシア商店街」。古書店の「幸子書房」や異界へと続いてるといわれるお寺の「覚智寺」。レコード店の「流星堂」などこの商店街に暮らす人々の不思議な奇妙な連作短編集。
収録作品は「紫陽花のころ」「夏の落し文」「栞の恋」「おんなごころ」「ひかり猫」「朱鷺色の兆し」「枯葉の天使」。

この中でわたしが好きなのは「夏の落し文」と「栞の恋」。そして最後にあっといわせる「枯葉の天使」「夏の落し文」では、ある日、電柱に貼られた不思議な文句「カラスヤノアサイケイスケアキミレス」の張り紙。これだけではまったく意味不明な言葉。しかし、これはこう読む「ガラス屋の浅井啓介、秋見れず」
すなわちこの短編の主人公のことなのだ。これだけで、もうゾクゾクしてしまいました。

不思議で怖い話ばかり。しかし、決して怖いだけではありません。「花まんま」と同様に妙な懐かしさとそれでいて温かさ、優しさがこの作品にはあります。代表的なのは「おんなごころ」の残酷さを見事に「枯葉の天使」でほのぼのと優しい気分にさせています。
そしてこの作品の中で使われているのが昭和40年代の歌の数々。「アカシヤの雨がやむとき」「黒猫のタンゴ」「ブルーシャトー」「モナリザの微笑み」。

あなたは何曲知っていますか。タイトルの「かたみ歌」はこうした歌を背景に物語が綴られていることによりつけられています。歌は世につれということを実感するとともに、実に懐かしい味なのです。
この商店街で不思議な物語の中心に絡んでいる「幸子書房」。この書店もちゃんと話を作っている。噂では異界との境界であるという「覚智寺」より、本当の境界は「幸子書房」にあるということを気付くはずです。

一話ごとの完成度は「花まんま」が良いと思います。しかし連作短編集ということも考えればトータルとしては「かたみ歌」が良い。
「花まんま」「かたみ歌」まさに作者の代表作であるのは間違いないようです。
朱川ワールドをじっくり堪能して下さい。
プロフィール

よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

ただし、スパムが多いため、コメントは承認制、TBは現在禁止しています。

カレンダー(月別)
03 ≪│2017/04│≫ 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
今読んでいる本
よしの今読んでる本
最近の記事+コメント
ブログリスト
あわせて読みたい

あわせて読みたい

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブログ内検索
RSSフィード
最近のトラックバック
カテゴリー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。