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死神の精度 伊坂幸太郎

死神の精度 死神の精度
伊坂 幸太郎 (2005/06/28)
文藝春秋
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<シュールに淡々と滑稽に>

「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」の6編で構成されている連作短編集。 1週間後に死ぬ、「可か否か」の調査をするのが死神の仕事。仕事をするときにはいつも雨が降る。人間に興味はない。ミュージックが好き。人間の感覚はない。こんな死神と人間の出会いが織り成す、感動の話。

この作品の成功は死神が独立していることです。人間の感情を持たず、あくまで淡々とシュールに自分の仕事を全うすること。それは、この作品のユーモアにつながっています。いい味なんですよ、これ。

死神を主人公とすることで明日をも知れない命だと読者に突きつけながら、与えられた人生を必死に生きるもの、あきらめた人生を生きるものなど様々な登場人物の中で結局、「生きることは素晴らしい」と読者に悟らせています。

もっとも一筋縄ではいかない伊坂作品。互いの短編が連鎖しあい、最後の短編であっといわせること間違いなし。この短編がなければ平凡な作品なんだけど。キーワードは「たいせつなものと時間」それが全編貫いていることに最終話まで読んでわかってきます。

そして、この作品が素晴らしいのは、一話一話の短編が、任侠小説であったり、恋愛小説、本格推理小説、ロードノヴェルであったりと、形にこだわっていない手法をとっていることです。もっともこれも死神を主人公にしていることで生きている作品なのです。

こうした伊坂作品の実験に読者が最終話までたどり着いたとき、唸らせられます。シュールに淡々と滑稽に死神はその仕事を全うします。いつしかこの主人公に愛着を持って見てしまいます。「死」に対して否をと願っていたのは、最初だけ。どうでもよくなるんですよ。明日がわかっているのは死神だけ。そんな人間が滑稽に切なく、やはり「生きているっていい」というのが実感できる小説です。

さまざまな小説の形を堪能してください。最後まで読んでください。特に「恋愛で死神」以降の3作は秀逸。そう、死神はすべてお見通し。だからこそ、切ない。そんな短編集をぜひ。
また騙されました。
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「死神の精度」 伊坂幸太郎

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こんばんは、よしさん。
伊坂さんにはいつも騙されてばかりな気がします。
それが心地良いのも伊坂さんなんですが。
よしさんが書かれているように、死をあつかっているけれど、死の怖さ哀しさより生のほうに視点がいくところがいいですね。
最後はほんと唸りました。

>雪芽さん
こんばんは。
本当に伊坂さんの作品は、驚かされますねー。
わたしはあと、「重力ピエロ」「グラスホッパー」と初期作品を読んでいません。
今年中には何とか(笑)
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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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