切れない糸 坂木 司

  • 2007/09/03(月) 15:08:06

切れない糸 切れない糸
坂木 司 (2005/05/30)
東京創元社
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<クリーニング後のビニールは外さないとダメ>

父親の急死に伴い、家業のクリーニング店を継ぐことになった和也。最初の仕事は、御用聞き。クリーニング店と和也の周りで起きる謎を、爽やかに描く連作短編集。

本邦、初読みの作家さんです。本当は「ひきこもり」シリーズからと思ったのですが、こちらの作品が先に手に入りましたので。
この作品もぜひ、シリーズ化して欲しい作品ですね。それだけ、わたしにはあっていました。

やむなく、場当たりに家業を継ぐことになった和也。クリーニングのことは何も分からないのですが、周りの人たちが支えていきます。四つの事件が進むとともに。
母。パートの松竹梅トリオ。そして、アイロン職人シゲさん。みな温かくて、和也の成長を見守っていきます。
特にシゲさんがいいですね。なぜ、自分の店に住み込み同然で働いているのか。そして、なぜか映画にも造詣が深い。
一体、何者?

今や、こういう形のミステリーは珍しくなくなったのですが、敢えて説明すると、各話ごとにちゃんと謎が用意されていて、全体を通しての謎もあるという作品。そういう意味では、タイトルも謎かなー。

さて探偵役は喫茶店で働く沢田。学生時代の友人といえば友人なんだですが、喫茶店でバイトをしている身。その沢田が実に細やかに、和也を助けていきます。いつしか友情になっているところがまたいいのです。

と、いう内容ですが、わたしは特に第三話「秋祭りの夜」が好きですね。
商店街で秋祭りをするため、出し物を企画しなくてはいけない。その企画に和也が一働きするという話なのですが、秋祭りで商店街の人たちが、和也に労いの酒を振舞うのですが…。温かいんですねー、商店街の人たちが。プロが集まる商店街が寂れていくことや、消えていくことへの作者の思いも感じられますねー。

こうして、和也も周りの人たちに教えられ、成長していきます。
そしてクリーニングや服の知識も、どんどん吸収していきます。読者も一緒に学んでいくんですね。そこがいいんです。
そして、出会う人たちとの関係も、ますます広がっていきます。

とっても温かみを感じる作家さん。初読みは買いです。新作「ワーキング・ホリデー」も読まなくてはと、思ったのでした。

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この記事に対するコメント

No title

明けまして、おめでとうございます。
すごく温かくて面白かったですね。
宅配、歯医者、ホテル、クリーニングと
ひきこもりを投げ出して読んじゃいました。
今年もよろしく〜♪

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2008/01/03(木) 11:36:29
  • [編集]

No title

>しんちゃん
こんばんはv-280
昨年は坂木さんを3作読みました。
クリーニング、ホテル、歯科医です。
今年はまず、新刊と宅配を読まなくてはと思っています。
ひきこもりも読まなくてはいけないのですがv-392

  • 投稿者: よし
  • 2008/01/03(木) 19:27:51
  • [編集]

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