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カシオペアの丘で(下) 重松 清

カシオペアの丘で(下) カシオペアの丘で(下)
重松 清 (2007/05/31)
講談社
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<あなたは、自分自身を許せますか?>

カシオペアの丘で再会を果たす四人。それぞれの思いが溢れる。しかし、シュンの病気は思いのほか、進行が早く北都の町で倒れてしまう。捨てた町、倉田が支配する町で入院をするシュン。東京に帰ることを願う家族。それぞれの思いが溢れ出す。

上巻の感想で書いたのは、この作品のテーマが「死」を扱ったものであるということですね。しかし、下巻を読んで、間違いであることに気付きました。この作品は死を題材にしているけれど、最も大きなテーマは「過去を許せるのか」ということです。

この作品を読み終えたとき、それぞれの読み手の胸に自分自身の過去について振り返り、過去を許せるのかと問いかけてきます。
シュンが背負った、トシへの思い。娘を失った川原さん夫婦。そして、ミウさんまでも過去のある事件にずっと縛られながら、生きています。
シュンの残り少ない時間の中で、それぞれが過去と向き合い、それぞれが憎んでいたことや、引け目に感じていたことなどを消化していきます。
結局、「自分自身を許すことができるのか」ということがクライマックスなのですね。

と、これはこれでいいのですが、作品自体も読ませるし、随所に涙も誘われます。全く上手いと思います。
ただ、二つ敢えて注文を。
一つは、登場人物達が、あまりにも悲劇を背負って生きているということです。あまりにも多すぎるのでは…。逆にトシやユウちゃんや恵理さんが、何と健気であり、たくましくも見え、救われるんですね。わたしは、こういう登場人物に魅かれました。それも作者の狙いなんでしょうけど。
もう一つは、それぞれの過去をここまで明らかにすることが、贖罪だとは思えないんです。シュンとミッチョの過去を恵理に教える必要性がどうしてあるのでしょうか?そこがどうしても納得できませんでした。

などと、書いてきましたが、いい作品ですよ。
冒頭のページからずっと最終章まで続いていきます。妙に星が見たくなるから不思議。
みなさん、満点の星を見たことがありますか?
幼いときに見た田舎の夜空が恋しくて、星を見に行こうかなと思ってしまいました。だが、わたしのことだから、プラネタリウムで済ますのだろうなー。

この作品を読み終えたとき、それぞれの読者にいろんな思いが溢れると思います。贖罪とはどういうことか。それぞれが、考えていけばいいんですね。
色々、書きましたが大傑作には間違いありません。だってここまで、のめりこんだ作品はなかったですもの。
良くも悪くもぜひぜひ、読まれることをオススメします。

あっ、書き忘れた。エルドラドを見てみたいなー。今もあるんでしょうかね。調べてみようっと。
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テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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カシオペアの丘で(下)   ~重松 清~

残された人生を過ごすため俊介は故郷に戻ってくる。もう最後まで涙腺を刺激しまくりでした。俊介の想い。敏彦の想い。美智子の想い。雄司の想い。周りの人たちの想い。共感できたり、共感できなかった

重松清  カシオペアの丘で

カシオペアの丘で 重松 清 重松さんは昔、何冊か読んだことがあるのですが、どうもピンとこないというか心に響かなくて、それ以来全く読んでいませんでした。最近の重松作品は、かなりいいらしいと聞いたので本屋大賞ノミネート作になっている本書を読んでみました。 ...

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おはようございます。よしさん。
そうなんです!よしさんのご注文、わたしからもさせてください(笑)
みんながみんな辛いお荷物を背負って生きている・・・これは、100歩譲って小説なのでしかたないにしても、過去を明らかにすることが贖罪だなんて、私も思えません。
嘘をつらぬき通す優しさってのも、あると思うんです。

>シュンとミッチョの過去を恵理に教える必要性がどうしてあるのでしょうか?

そうそう!ここも、読んでいて、えーーー!!?なんで?って思ってしまいました。
よしさんと同じ意見で嬉しいです。

>ゆうさんへ
おはようございます。
そうでしょー、そうなんですよね、ね。
嘘は嘘のままでも良いんではないでしょうか。もちろん、トシとの関係は違いますけど。

たまたま幼馴染だけじゃありませんか。夫婦だからって、言いませんよ。だって、幸せな今があるんですから。
過去にこだわる話ではないですよね。ミッチョと恵理さんの関係は。

同じ感想でしたね(笑)

色んな感情てんこ盛りで
一気に読むと辛くもなりましたが、
久々に読み応えのある作品でした。

>す~さん
そうそう、いろんな思いがこの作品にはあります。
あっという間の読書でした。
厳しいことも書きましたが、これも本読みの悲しい習性。
重松作品ゆえのことなんですね。
お気を悪くされませんように。

>シュンとミッチョの過去を恵理に教える必要性がどうしてあるのでしょうか?
なるほど…私が恵理の立場だったらシュンの過去、全てを知りたいって思うだろうなって思いました。そしてミッチョの立場だったらシュンと自分の過去の話は二人だけの秘密にしておきたいって思う。だからこそ、ミッチョはキチンと過去を奥さんに話してあげて、秘密をなくしてあげてエライなって思ったのです。
確かに盛り込みすぎな感じではありましたが、引き込まれました。

私が思ったのはシュンはミッチョに対して全く?過去のことを謝っていませんよね?それがとても気になりました。トシに謝りたいと思うならミッチョにもそれ以上の心の傷を付けたはずなのだから謝るべきではなかったかなって。ミッチョは今でもきっとシュンのことを心の奥底で愛している。たぶん。なのにそんなミッチョに対してシュンは妻を絵里を愛しているなんてヌケヌケと言うでしょ?信じられない!って。そう思いませんか?もうすっかり過去のこと。今はミッチョはトシと幸せに暮らしているんだから謝る必要は無いとでも思っているのかしら??

>ななさんへ
こんばんは。
なるほど。恵理さんとしたら、そうなんですか!ミッチョは二人だけの秘密にしておきたい。なるほど、なるほどです。
これまた、あたっていますね。

本当に過去を許すことって、どういうことか考えさせられました。ミッチョと恵理さんの関係は最後まで、素晴らしく、切なく
、特に車椅子のシーンで泣いてしまいました。
でも、やはり、わたしだったら、過去は過去のままでと思います。

>ミッチョんさん
初めまして。コメントありがとうございます。
わたしが、もう一つ言い忘れたことはこれだったんです。シュンはミッチョに対して謝っていない。鋭い!そのとおりなんです。
ここが最後までひっかかるんですね。トシとは幸せに暮らしているけど、やはり、お互いの仲にわだかまりもあるんですよね。だとしたら、そのわだかまり、つまりミッチョとの過去も許すことはできたはずなんです。
大きな
この関係も大きなポイントだっただけに、残念。腑に落ちませんでした。

追伸:わたしはミッチョを他人事とは思えないほど、感情移入しました。それは、内緒。ミッチョんさんにもね。
これからも、機会あればよろしくおねがいします。

初めまして。のご挨拶が後になりました。つい?興奮してしまって・・・?読み終えたばかりだったのと、この一点がどうしても腑に落ちなくて・・・男性は過去に愛した女性とのこんな経緯に対しての想いはこんなもの?この程度のもの??なのでしょうか??わたしもミッチョに同じく感情移入してしまいました!読後すぐに重松さんに追求?お尋ねしてみたい、と思ったほどです。(恵理の字を間違えていました。すみません)恵理を愛しているとシュンから聞かされたミッチョの気持ちを思うと・・・これからもこちらこそよろしくお願いいたします。エルドラドはとしまえんに今もあるようですね。一度行ってみたいです。ボイジャー1号にはヴェートーベンの「運命」も録音して積み込まれているそうですね。宇宙人がいつか聴くのでしょうか??2020年まで航海し続けるらしいですが・・・

>ミッチョんさん
おはようございます。
度々のコメントありがとうございます。
過去を許すということはどういうことなのか?ということをずっと突きつけられ、全てを告白し、お互いが許しあうことはどうなのか?と思ったんです。しかし、ミッチョンには謝っていない。ご指摘の通りですね。ここが最後まで引っかかってしまいました。ミッチョがシュンに対する思いは、ずっとあることは、描かれていましたよね。謎ですね。
男性、女性問わず、関係ないと思います。自分を振り返ると(笑)
やはリ、重松さん、書き忘れたのでは。

エルドラドとボイジャーの情報ありがとうございます。
大変参考になりました。

確かにミッチョはシュンに対して「謝らなくていいよ」とは言っています。カシオペアの丘に帰ること、ミッチョたちに会うこと、それが彼の謝罪の気持ちであるとしてもやはりちゃんと謝るべきではないのかな・・・恵理にはたぶん話さなくても彼女は気付いている。大学も同じ学部も同じ、昔から男の子たちの人気の的だったに違いないミッチョのこと。シュンがなんとも思っていなかったなんて考えられない、そう思うほうが自然ですよね。愛しているからこそ恵理には全部過去のこと話しておきたい。過去は過去として今はずっと恵理を愛してきた。そう確信しているからこそ恵理には話そう。みんな知った上で愛していることを最後にしっかり伝えたかった、のではないかしら。それだからこそ、昔傷付けたままだったミッチョのこと、自分は恵理と結婚して幸せで忘れていたことも含めて謝るべきではないかな?シュンって自分の癌のことで手一杯で人の心を思い遣れない身勝手な人?強いけど優しくない人?生まれ変わってもトシと結婚しろよな、ってヒドイ。ぼくは生まれ変わってもやっぱり恵理と結婚したいなんてミッチョがかわいそう過ぎ・・・ミッチョはきっと生まれ変わったらシュンと結婚する奇跡を信じていたんだと思うのに・・・

>ミッチョんさん
おはようございます。
語れば語るほど、ミッチョが可哀想になってきますね。
確かに「謝らなくていいよ」と遊園地で言っていたような。
だからこそ、きちんと謝って欲しかったなー。

今の生活の中で、お互い結婚して、暮らしているということも、少しあるのではないのかな。
といいつつ、テーマの「過去を許す」ことについて不自然だよなーと思います。
重松さんに聞いてみたいですねー、その辺(笑)

こんにちは。新聞の連載ではヒロインが死ぬことになっていたとか?ではミッチョが・・・?その場合シュンはどうしたのかしら?それも気になりますが、かなりの部分書き直した重松さんにはどういう思いがあってそういうふうに直されたのか?なにかお考えがあっての事なのかもしれませんね。先に死んでしまうシュン。後に残される恵理。それだけでもミッチョの過去を許してくれた?トシとまだこれから先長く?暮らせるミッチョは幸せ?ってことでしょうか?それにしても腑に落ちません。やっぱり「不自然」ですよねー?許すことは忘れること。許さないから思い続ける。だとしたら・・・許せる人は幸せな人。憎み続けて生きることは不幸。それもまた真理。シュンが自分を自分で許した、ミッチョもそんなシュンを自分なりに許す・・・それが一応の解決??

>ミッチョんさん
こんにちは。
そうなんですかv-10ヒロインは死ぬことになっていたなんて!!
不自然ですねー。ミッチョの気持ち??のまま、終わったという感じです。
憎み続けることは不幸、確かに分かるのですが、思い続けることは許されるのではないのかと思いました。それでは、トシを裏切ることになるし…。
重松さんの着地点だったのでしょうねー。

そうですよね。。憎み続けていたから忘れなかった、忘れられなかったわけではなく、想い続けていた・・・のでしょうね。でもそれではトシを少なからず裏切っていたことになる?でも人生誰もが思い通りに生きられるわけではない。みんなが相思相愛で結婚できるわけではない。誰しも多少の?妥協をしながら?結婚し生きている?・・・そういう人も結構多いのかもしれませんよね・・・(^_-)-☆心の中は誰にも覗かれないから・・・?トシもちょっとそんな気持ちをミッチョにぶつけていましたよね。でも最後ミッチョもシュンを許し、自分の人生を前をしっかり見てトシと共に生きていく。それが重松さんの出した結論?40代半ばの今現在の?でしょうか?

>ミッチョんさん
シュンを東京に帰らせてあげるという、ミッチョの気持ちに涙しましたね。
本当は北海道で暮らしてほしいのに。そんな思いも分かっていて、トシはミッチョの過去を知りたがったんですねー。それで、トシは許せたのかなー、それも疑問。
でもトシは、すごく強い人だから、受け止められるんですよねー。トシの弱さも少し見たかったなー、動揺とかね。
やはり、着地点は、自分の人生を前を向いてしっかり、生きることが愛する人への思いだといいたかったのではないでしょうか。
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Author:よし
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