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うつくしい子ども 石田衣良

うつくしい子ども うつくしい子ども
石田 衣良 (2001/12)
文藝春秋
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<やりきれないが、前向きに生きる少年に魅かれる>

石田衣良という作家は、こんなに幅広かったかなと、「IWGP」のイメージが大きすぎて、大変、驚かされた作品です。
この作品のベースは、酒鬼薔薇事件。それだけに、テーマとしては非常に重い内容でした。しかし、この作品を活かしているのが主人公の少年なのです。

三村幹生(ジャガ)は中学年2年。ある日、少女の猟奇的殺人が学校の裏山で起こる。そこから幹生の生活は、一変するのだった。

殺人事件とともに、変わる生活。それは、痛々しいほどです。マスコミに追われ、夫婦の離婚を強制され、学校にも行けない。そんな加害者としての立場を克明に書いていきます。主人公の視点と新聞記者の視点を巧みに織り交ぜて。
そして、この少年が学校に復帰し、浮かび上がる真実。紛れもないミステリーなんですよね。

そして、物語を活かしているのが、幹生のともだち。長沢君とはるき。それぞれがクスノキに集まり、しだいに打ち解け合う「クスノキの集会」になっていくんですね。そして、お互いの秘密を話していく。友情の話としてもいいんです。しかし、そんな友情にも妨害が…。

新聞記者の視点は必要なのかと思いましたが、これはちゃんと用意されていたんですねー。これもうまい。

では、どこが不満なのかといわれると、やはり、作品の重さと被害者の家族はどうなのかと考えてしまったからです。被害者の家族の描き方があまりに薄い。しかし、それが主体ではないので仕方がないのかもしれませんが。

この作品は主人公の前向きさと強さに魅かれます。不幸な事件を受け止め、前向きに生きていきます。強いんですよ。最後もジーンときました。
「ジャガ頑張れ」と言いたくなるんですよ。

少年犯罪、いじめ、友情、家族。いろんなものが詰まった小説だと思います。
石田衣良さんには失礼ですが、この作品を読んで見直しましたもの。読ませます。
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テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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