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三たびの海峡 帚木蓬生 

三たびの海峡 (新潮文庫)三たびの海峡 (新潮文庫)
(1995/07)
帚木 蓬生

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SNSの企画「100冊文庫企画」で推薦した本です。推薦したものの、内容を忘れていたので読み返すことにしたのですが、再読してもやはりこの作品は、いいですね。
涙なくしては読めない名作だとわたしは思います。

一度目は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが…。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。吉川英治文学新人賞受賞作品。【BOOKデータベースより】

<生者が死者の遺志に思いを馳せている限り、歴史は歪まない>

最初に読んだのはいつのことだったでしょうか?かれこれ、12年前くらいでしょうか。
今でもわたしの中での、傑作社会派ミステリーは、「砂の器」「ワイルドソウル」。そして、この作品。
「ワイルドソウル」はミステリーといえるかどうか(笑)。
ともあれ傑作です。

河時根は第2次大戦中、朝鮮から強制連行され、九州の炭鉱に送られ、過酷な労働を強いられます。それは、想像に絶する非人間的なものだった。暴力と辱めを受けながら、食料もまともに与えられず、賃金もピンはねされる。そして、逃げれば監視の目とすさまじい暴力。働けば炭鉱事故の恐怖。こんな状態で彼らは、祖国に帰ることだけが希望として働いています。
暴力、事故で次々と倒れていく仲間たち。そして、生き延びるのは同じ民族が管理者として、仲間を見張ること。

それでも連行された者は、改善を求めて、炭鉱に行かないストライキを決行します。そこで主人公が唄う、ただひとつの歌が‥。ここで泣いてしまうんです。
次から次に苦難が襲います。しかし、これは事実、日本が行ってきたことなんです。いや、もっとひどいことをしてきたのだと思います。
だから、この事実を決して忘れないため、作者はこの作品を残したともどこかで読みました。決して消し去らない歴史の事実。

「私たちは未来から学ぶことはできない。学ぶ材料は過去の歴史のなかにしかない。…自分に都合の良いように、粉飾した改変を加えた歴史からは、束の間のつじつま合わせしか生まれて来ない」
まさにそのとおりだと思います。

形はミステリーなので、これ以上は語ることができませんが、主人公を動かしているのはこの国に対する恨(ハン)。そして、三たび海峡を渡ることになったのです。
隣国との関係を考えさせられ、戦争の罪を考え、そして、今現在の日本を考える格好の作品です。
涙なくしては読めない傑作ですが、泣いてばかりはいられない事実がこの作品にはあります。
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この方の作品、閉鎖病棟を途中で読むのやめてしまってました・・。三たびの海峡傑作なんですね!!おもしろそうなのでぜひ読んでみます*´∀`)ノ゚.:。+゚ !!

>くわたさん
こんばんは。お久しぶりです。
とかいって、先日はお世話になりました(笑)
面白いというか、泣きますから、そのつもりで。
それに、重いですから。わたし、次の作品になかなかいけませんでした。
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Author:よし
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