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聖域 大倉崇裕

聖域聖域
(2008/05)
大倉 崇裕

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嬉しい予想外でしたね。まさか、この作家さんが山岳ミステリーを書くなんて。それでもって、結構面白い。なんでも大学時代に山岳系の同好会に所属していたそうです。いつか書きたいと思っていたそうですが、その念願がやっと叶ったそうです。
とすれば、作者の満を持した自信作。山岳小説とミステリーの融合。これだけでも、わたし、嬉しくなってしまいます。

安西おまえはなぜ死んだ? マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。事故か、自殺か、それとも――3年前のある事故以来、山に背を向けて生きていた草庭は、好敵手であり親友だった安西の死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。すべてが山へと繋がる、悲劇の鎖を断ち切るために――。
「山岳ミステリを書くのは、私の目標でもあり願いでもあった」と語る気鋭が放つ、全編山の匂いに満ちた渾身の力作。著者の新境地にして新たな代表作登場!! 【東京創元社HPより】

<予想外の骨太小説。男は再び山を目指す>

予想外でした。ここまで読ませるなんて。ミステリーとしても、結構面白いと思います。
主人公の草庭は大学時代の友人、安西と低山の両神山に一緒に登ることになります。そこで、恋人絵里子が遭難した、塩尻岳に登ることを知らされます。十日後、安西も遭難。こんな、難易度の低い山で、マッキンリーをも極めた男が死ぬはずがない。草庭は、絵里子と安西が遭難した塩尻岳を、目指します。

捨てても捨て切れない山への思い。草庭は、大学時代に、後輩を事故で死なせてしまったという、経験から山を捨てて、山岳部の先輩が勤める会社に無理やり、入れさせてもらっているという状態。仕事上でも、周りからなぜか疎まれトラブル続き。同じ職場に働く、江藤をひょんなことから殴ってしまいます。それが、山への思いを再び燃焼させることになろうとは。江藤自身も、息子を山で失うという、苦い思いを持っています。だから、草庭にも辛く当たるのですが。一人ひとりの山への愛情と思い。エピソードがひしひしと伝わります。

草庭、安西、絵里子の山への思い。それが、微妙な伏線にもなっていたりして。この辺が上手い。
草庭を再び山へ駆り立てたものとは。安西が簡易な山で死ぬはずがないという、謎から。そこから、物語は動き始めます。山小屋を守ろうという運動とそれを利用する人たち。大学山岳部の現状とアルピニスト達の支援と周りの理解。どれも、なかなか理解されないものばかり。しかし、山を愛する作者だからこそ、ここまで書けたと思います。

三度、塩尻岳で草庭が見たもの。これが感動なんですね。そして、ある程度予想していたとおりの展開なのですが、感動するんですよ。つまり、ミステリーというだけではなく、山への愛情と描写が、行間に詰まっているからなのです。

久々の山岳ミステリー。そして、思ったより数段に良かったです。わたし、この作家見直しました。そして、この作品をさらに肉厚にしているものとは、山を愛する人達の草庭への思い。これが熱いんですね。柳原、小野寺、松山、そして、江藤には泣いた。

思ったより骨太。わたし、この人たちの物語をさらに読みたくなりました。時間はかかったみたいですが、さらに時間を掛けてでも、次が読みたい。そんな思いにさせてくれた作品です。誰が何と言おうと山はいいんです。いったんは山歩きを趣味にしていた私としたら、そんな感慨もひとしおといったところでしょうか。
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聖域(2008/05)大倉 崇裕商品詳細を見る ブックデザインは岩郷重力+WONDER WARKZ。 草庭は学生時代、山岳部の好敵手で親友だった安西が滑落した報せ...
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こんばんは。
草庭を取り巻く人間関係が熱かったですね。
山への愛情があふれてて、よかったです。
山歩きを趣味にされていたなら、
続編への思い入れもわかる気がします。

トラックバックさせていただきました。

>藍色さんへ
ご無沙汰しています。
なかなかそれぞれが山に対する思いがありましたね。
大倉さんはずっと構想をしたためて書き続けていたんですね。
作者の山への愛情の結果ですね。
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