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号泣する準備はできていた 江國香織 

号泣する準備はできていた (新潮文庫) 号泣する準備はできていた (新潮文庫)
江國 香織 (2006/06)
新潮社
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<現実と過去の一瞬を切り取る短編集>

えー、恥ずかしながら実は初の江國作品。前々から気になっていたのですが、どうも読まず嫌いのところがあって、敬遠していたのですが…。一作では分かりませんが、わたし、この作者の空気と言うか、世界観というか好きですねー。

私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだから―。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる…。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。【BOOKデータベースより】


この作品の感想を書くのに、一体どう書けばいいのか迷いました。それだけ感想が難しい。読んでどう捉えたかではないんですね。ではどう感じたか。これも難しい。結局、過去と現実の一瞬の風景を女性の視点から捉えた作品集だといえます。わたしは嫌いではないです。ふわふわした文体とでも言うのでしょうか、それも特徴的ですよね。

書く前に幾つかの書評を参考にしたのですが、これだとやはり感じてしまいます。つまり、この作品で言えば、その浮遊感よりも、女性の怖さ…というか、結局は人間の怖さということになるんではないでしょうか。ふわふわとした文体の裏にあるものは、一瞬に切り取った人間の心理だと思います。

12編の短編集ですが、お気に入りは表題作だろう。愛し合った男とは半年前に別れた。ある朝、電話がかかってくる。姪を習い事に連れて行く合間に昔のことを思い出す女。外国を旅した頃よく墓地を散歩していたという。そして思うのだ「号泣する準備はできていた」と。それでも別れられない心理描写、いいですよね。でもやはり怖いなー。

浮気をしているらしい夫がお気に入りの下着を着ていった。それを思い出し夕食を作る「住宅地」。、愛する人と別れた主人公が、かって関係があったこともある男友達に抱き寄せられて泣き出すかわりに笑い出すという「手」。

日常のひとコマを切り取る手腕とその中の非日常の心理描写を丹念に描いているといっていいのではないでしょうか。そして、また日常に戻っていく主人公達。その描写が静々と淡々と書かれているのです。これって、怖いですよね。

女性心理というだけでは済まされない、人間の心の襞。記憶に残っている、嫌なものを描いているこの作品はやはり江國作品の特徴なのかもしれませんね。
そんな江國さんの代表作である本作品。わたしは普通の恋愛小説と思っていたので驚きました。
静かに、淡々と、日常を非日常を、過去を切り取るこの作品。やはり、人間ドラマというか、自分の人生のひとコマもどこかにあるような気がしてなりません。
また江國作品に挑戦します。
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『号泣する準備はできていた』 江國 香織 新潮社

号泣する準備はできていた第130回直木賞受賞作。12編の短編集。とても綺麗な文章と、本に書かれている活字をも雰囲気の一つとして読める。短編集なので、物足りなさは感じるけど、どの作品も話というより、空間とか場所とかその一つの場面を表している印象がある。言葉

号泣する準備はできていた 江國香織

ちょっとした気持ちのすれ違いや、そこに漂う微妙な空気をリアルに描いた短編集。 タイトルが、本のすべてを物語っているように思えた作品だった。 タイトルに惹かれて手にしてみたものの、実際読んでみると内容は少し薄いような気がして、なんだかとても消化不良ぎみな...

『号泣する準備はできていた』 江國 香織 新潮社

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私もこの本持っています!江國 香織 さんの本は最後はよくわからないまま終わったりするのですが・・なぜかあったかい気持ちになります。私は神様のボートという本がすごく好きです☆
私は今日、雫井修介さんの「火の粉」という本を読みました。かなりおもしろくて一気に読んでしまいました!最近の中ではヒットでしたよ!

>くわたさん
おー、お久しぶりです。でもないか?
こちらではお久しぶりです。
やっと江國さんを読みました。良く考えたら、初読みではなかったです。前にタイトルも忘れた(笑)作品を読みました。
『神様のボート』ですね!『がらくた』の次に読もうかな。
雫井さんは『虚貌』を読んでいい作家さんだと思っていましたので、『犯人に告ぐ』を読んだのですが、これがなぜか途中やめ。『犯人に告ぐ』オススメです(笑)
最新作『ビター・ブラッド』も読みたいのですが、やはり『犯人に告ぐ』の壁が…。『火の粉』から再挑戦しようかな(苦笑)

おもしろい本に出合えたらうれしいですね~!ミステリーはあんまり読まなかったんですが、久々にドキドキハラハラする本で、ミステリーもおもしろいなあと改めて思いました。「犯人に告ぐ」読んでみますね!!

>くわたさん
こんばんは。
そうそう、面白い本に出合えた幸福感。これは本読みでしか味わえないでしょう。
ぜひぜひ、ミステリーも読んでください。
心に沁みる、ミステリーも様々です。殺人だけがミステリーじゃありませんよ。
『犯人に告ぐ』は挫折本なので、是非挑戦してください。読まれるのを待ってます。ただし、長い(泣)。頑張ってくださいね。
『神様のボート』は図書館で借りることができました。読めるかどうかは、自信ないけど、頑張ります(笑)
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本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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