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我らが隣人の犯罪 宮部みゆき

我らが隣人の犯罪 (文春文庫) 我らが隣人の犯罪 (文春文庫)
宮部 みゆき (1993/01)
文藝春秋
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<宮部みゆき、初期の名作短編集>

予定より少し早くなってしまったのですが、「毎月の宮部みゆき」二作品目を読みました。この作品は、宮部みゆきの18年前の短編集なんですけど、今、読んでも決して古くありません。
わたしは、3回目の読書です。

僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。【BOOKデータベースより】



表題作は『オール読物』推理小説新人賞受賞作です。短編にしてはやや長い(笑)。
ユーモア色の強いライトな作品です。もちろんミステリーですから、ラストのどんでん返しも効いている。妹の智子ちゃんが、とっても可愛い。

「この子誰の子」…ある雷雨の夜、赤ちゃんを連れた一人の女が訪ねてきて、「この子は、お父さんの子」と告げる。さて、真相は…。
ちょっぴり、ホラーも入っています。しかし、何といっても凄いのは冒頭の「その晩、僕の家を二組のお客が訪れた。最初のお客は雷雨だった」という書き出し。
この作品は現代にも通じる警鐘も含まれています。

「サボテンの花」…あとわずかで退職する教頭先生の悩みは六年一組の卒業研究会発表会。サボテンの超能力を研究するというのだが。
この作品は、とっても爽やか。二重のミステリも効いています。ラストは涙なんですが、そんなに容易くないだろうとツッコミも入れてしまいました。

「祝・殺人」…結婚式でエレクトーン奏者をしている女性からバラバラ殺人事件について話をしたいと相談され、迷宮入りと思われた事件を解いていく。
プライバシーという問題に皮肉も織り込まれています。

「気分は自殺志願」…散歩中の作家に「私を殺していただきたい」と男から相談を受ける。さて、困った作家は。
これまた、現代の問題「薬害肝炎」にも通じるものがあります。病気への偏見や間違った知識なども論じています。
依頼する男が「もう53歳」から「まだ53歳」に変わっていき、人生に生きがいを見出すところは秀逸。これまたとっても爽快な仕上げになっています。

どの短編も上手い、うまい。爽やかにそして、ミステリとしてもよくできています。子供や老人、病気の人に対する視線がとっても優しい。宮部さんらしい、特殊な能力を持った人にも。将来に起こる社会問題を取り入れる先見の明にも感心です。この物語で書かれていることが、今、問題になっていることにも驚きです。
名作「火車」の前に書かれた作品集ですが、すでにその才能を思う存分見せ付けている名作短編集です。

近々、新装版として文庫に再登場との噂もありますので、ぜひぜひ。
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No title

はじめまして~♪TBありがとうございました。
もしかして・・・本を読む人々。の方にいらっしゃいますでしょうか?プロフィールのお写真を見かけたことがあります。
宮部作品は、最近のものよりも昔?の方が好みかなぁと思いつつも読んでしまいます。(笑)私も宮部作品のベストは『火車』なんですが、この短編集もとてもハイレベルで今読んでも古さを感じずいいですよね~

マイブログリストに登録させていただきました。またちょこちょこ遊びにきますね~♪

No title

>板栗香さん
こんばんは。はじめまして。
コメントありがとうございます。
そうです。ばれちゃいました(笑)
「本を読む人々」にも参加しています。

宮部作品は、ずっと買い続けています。最も最近は積読ですけど。
何せ、長いんですよね。このままではいけないと思いつつ、宮部作品の凄さを伝えたくて、今年の目標にしています。とりあえず、12冊は読まなくては。
『火車』って、すごいインパクトでしたよね。表のベストはこれなんですけど、
裏のベスト(?)は「蒲生邸事件」なんですよ。
そのうちレビューすることになると思いますけど…。

こちらこそよろしくおねがいします。
わたしも登録させていただきますね。
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ただし、スパムが多いため、コメントは承認制、TBは現在禁止しています。

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