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クローバー 島本理生 

クローバークローバー
(2007/11)
島本 理生

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あまりに、仕事が忙しくて、全く読めていません。すっかり読書量が落ちてしまいました。しかし、やっと、落ち着きつつあります。待ってくださった皆さんのために(笑)、いい本を紹介していきたいと思いますので、見放さずに付き合ってくださいませ。
というわけで、今回から、少しレイアウト変えてみました。なんせ、ネタバレがあまりに多いので。

ワガママで思い込みが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬治。今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。冬治も微妙に挙動不審な才女、雪村さんの捨て身アタックを受け・・・・・・騒がしくも楽しい時は過ぎ、やがて新しい旅立ちの予感が訪れる。【角川書店HP】

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九つの、物語 橋本 紡

九つの、物語九つの、物語
(2008/03)
橋本 紡

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<世界はいい加減で危うい。でも、楽しいものだ>

なんと言っていいんだろう、この作品。ある意味、今年一番の衝撃本(?)かもしれません。さまざまな感想が飛び交って、未だに上手くまとめられません。つまり、この作品がいかに素晴らしいものかということで、感想を悩んでいるからなのです。

大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。だが、奇妙で心地よい二人の生活は、続かなかった。母からの手紙が失われた記憶を蘇らせ、ゆきなの心は壊れていく…。【集英社HPより】


まず、まず、どこか素晴らしいのか。物語の各章のタイトルは、著名な古典の数々。太宰治や井伏鱒二、そして、この作品のタイトルもこの作家から来ているのでしょうけど、サリンジャー。有名なあの本が、モチーフに使われています。それぞれの作品が、しっかり、各話の中で息づいているのです。
最後に主人公のゆきなは言います。「ああ小説とは。これほど絶妙なタイミングで心に飛び込んでくる」。えてして、こういうことが本読みの中には良くありますよね。そうした本好きの心を揺さぶってくるんですねー、この作品。

ストーリー自体が、この話のキモなので、全部は書けませんが、幽霊となったお兄ちゃんが妹のゆきなの前に現われるというところから始まります。まあ、なぜ幽霊になったのかというところが、この話の主題でもあるから、ここから先は書きません。さらに、息詰まっていく恋人との関係や、両親の問題などで、次第にゆきなの心が壊れ始めてきます。
「世界は壊れてはくれない。毎日は必ず過ぎてゆく、止まらない」とゆきなの悲鳴が綴られます。

そんな時、ゆきなの側にいるのがお兄ちゃんなのです。無頼の女好きで、幽霊になってもそれは治らず、家を空けることも。でも肝心な時、うざいと思えるほど、ゆきなの側にいるんです。兄が妹を見る目が何とも優しいのです。
そんな、ゆきなが慰められるのは、お兄ちゃんかの本棚から取り出す本であったり、お兄ちゃんの作る手料理であったり。この料理が最後にまたいい味出しているんです。
そして、お兄ちゃんに教わったトマトスパゲティ。「食べて見ないとわからないなんて、まるで人生見たいじゃないか。何かを入れすぎても、そこそこおいしくできるんだ。ほら、それもまた、人生みたいだろう」

いやいや、本好きの心をくすぐり、さらに料理好き。そして、ゆきなの壊れた心を懸命に取り戻そうとする兄。どれをとっても、心に沁みる癒し本だとわたしは思うのですが、どうでしょう。
しかし、香月君のふところの狭さはいかがなもんでしょう?母の気配りのなさも。
などなど、少し気になる点もありましたが、十分癒される本だと私は思います。
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鼓笛隊の襲来 三崎亜記

鼓笛隊の襲来鼓笛隊の襲来
(2008/03/20)
三崎亜記

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<赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した>

ミャンマーで大型のサイクロン襲来。大きな被害があったようです。そんな時に読んだこの作品。何だか、不思議な感覚でした。相変わらずの、三崎マジックというか、三崎ワールドですね。何とも奇妙で不思議な味。こういう奇想的な小説も結構好きなんですけどね。さて今回の、三崎さんは…。

戦後最大規模の鼓笛隊が襲い来る夜を、義母とすごすことになった園子の一家。避難もせず、防音スタジオも持たないが、果たして無事にのりきることができるのか――。表題作ほか書下ろし1編を含む全9編。眩いほどに不安定で鮮やかな世界を見せ付ける、贅沢な傑作短編集。『となり町戦争』の著者、1年4カ月ぶり待望の新刊!【光文社HPより】


冒頭から、強烈な印象を残しますね。台風を鼓笛隊に置き換えているんですが、これが何とも可笑しくて、結構強烈な印象を残すんですね。戦後最大の鼓笛隊って何やねんとツッコミを入れてしまうんです。とにかく、鼓笛隊がやってくるんです。そんな中で、ある家族を取り上げているんですが、この家族のお婆さんが経験から、家族を守ってくれるんですね。そして、おばあさんは言います。
「鼓笛隊ってのは、音だけじゃないんだよ。心そのものに響いてくるんだからね」
そして、鼓笛隊は通り過ぎていくんですが…。

「彼女の痕跡展」は、ある日ギャラリーでの展覧会に遭遇した私。タイトルは「彼女の痕跡展」。そこにあるものは、かって、私が愛した音楽や服が展示してあるのだが、私には、なぜここにこうした物があるのかがわからない。そして、記憶を失っていることに気付く。不思議な世界です。ちょっと、怖い話でもありますね。そして、記憶とは何なのかを考えさせられます。ギャラリーの案内役の女性が言うんですね。
「見ているのに、見えていないものって、案外たくさんあるのかもしれませんね」
不思議な余韻の残る作品です。

わたしの最もお気に入りは、「遠距離・恋愛」なのです。この話は、タイトルどおりの遠距離恋愛を扱った作品なのですが、その設定がすごい。未来はひょっとして、こういう風に変わるかも。
『シャングリ・ラ』(池上永一)を読んだ方なら、こういう設定もうなずける。

その他、『覆面社員』『象さんすべり台のある街』『突起型選択装置』『「「欠陥」住宅』『同じ夜空を見上げて』を所収。どの作品も、奇妙で不思議なお話です。そして、現代社会への皮肉も入っています。
今回の大きなテーマは、「記憶」かな。記憶の話が多かったような。何とも希薄で危うい記憶。忘れることって、悲しいし切ない。しかし、どこかに留めようとしたい。だから、作家さんは本を書いたり、わたしはこんなレビューを書いたりする。人間の記憶って切ないですね。そんな作品が多かった気がします。
気になるのは『突起型選択装置』のボタン。一体なんなのでしょう?気になるなるなー。

三崎ワールドの何ともいえない世界を今回も満喫。
楽しめますよ、この作品。
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こっちへお入り 平安寿子

こっちへお入りこっちへお入り
(2008/03)
平 安寿子

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<わたし、人生勉強してたんだね>

気がつけば、もう5月も7日!おまけに8日も更新をストップしてる(汗)。決して、遊び呆けていたわけではないのですがって、GWだから別にいいか(笑)。この間、日ごろの怠けぐせがたたり、何と9冊も溜まってしまったわけで…。こりゃ、もう致命的で、忘れる寸前状態。更新に思い立ったというわけです。待っていらっしゃった方、ごめんなさい。いないか(再び笑い)。
というわけで、平さんの新作です。

落語好きにも、そうでないあなたにも。笑いあり、涙ありの素人体当たり落語寄席、開演!この私が、やれるのか。人を笑わせられるのか?吉田江利、三十三歳。独身OL。落語に挑戦しちゃいます。【祥伝社HPより】


平さんの作品は今年で三作目。昨年から平さんの出版ラッシュで、わたしも『風に顔をあげて』以来、すっかりファンになってしまいました。
平さんの作品は、大きな事件は何も出てこないんですね。ただ、日常の家庭や職場の問題などがさりげなく、織り込まれ、いつしか元気になる。決して強引ではないんです。ただ、前に進む原動力になったりするんですね。これがたまらない魅力だとわたしは、思うんですがどうでしょうか。

この作品も、そんな感じです。主人公は33才の江利。仕事もまあまあ。上司から仕事を任せられて、後輩の教育係になっているんですね。そんな江利が、友人が入っている落語サークルに出向いた時、落語を薦められるんです。自分が落語なんてとやる気はないんですけど、落語のCDを聴いた瞬間、世界が変わっていきます。そして、次第に落語の世界にはまっていき、ついに発表会に出ることに。その過程が、妙に清々しく、可笑しく、こういうのが本当にはまると言うんでしょうね。それは、決して馬鹿らしいんじゃなく、読み手のわたしたちも落語の世界にはまっていくから不思議。そして、何かにはまっていくというのは、何て楽しいんだろうと思えてくるんですね。仕事や家庭や、それ以外に踏み出せないわたしや、あなたに違う世界に踏み込む勇気を与えてくれるんです。そこが、この作品の魅力ですねー。

江利はいいます。『仕事以外で、何かを「やる」側に回ったことはない』。つまり、内側ばかりで、外に向って、何かをやることが、最高の気分転換になるというわけです。『仕事である程度の力を発揮できているとは思うが、それを自分の存在証明にしたくない』。うん、わかるなー。仕事でもそうなんですけど、それだけじゃないんですねー。何かを自分の存在証明にしたい。つまり、生きがいを持ちたいんですね。同感同感と頷いてしまいました。

さて、この落語のお話。江利の中で、次から次へと興味が広がり、「寿限無」や「船徳」「金明竹」「三枚起請」、「饅頭怖い」などおなじみの落語の話が満載。わたし、落語が結構好きなので、これはもう、うんうんと納得のお話でした。また、古今の著名の落語家さんのエピソードも満載なので、落語好きにはたまらない1冊でしょうね。特段、落語を知らなくても、十分面白いですから、念のため。

これだけではないんです。これに江利の家の問題も絡むんですが、まあ、これは別になくてもいいような気も。どっちかというと、はっきりしない恋人との話だけでも良かったかも。ともあれ、最後は爽快爽快。落語のサークルの楽笑さんが何と言っても、いいんです。そして恋人の旬も。

『知れば知るほど、落語が描く人間の物語は深く、怖く、温かい。わたしたちを取り巻く状況は常に厳(きび)しいものですが、落語頭があれば乗り切れると、わたしは信じているのです』(著者あとがきより)
まさに、そんな気がしてくるんです。落語頭があれば、乗り切れる。落語は人生そのものなんですね。
平さんの作品って、面白いです。さて、次はどうくるんでしょうか。
わたし、落語CD買っちゃいますから!
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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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