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07マイベスト

今年も後2日ですね。振り返ると忙しい日々でした。
生活面では、めいの高校受験と同居生活の始まり。
仕事面では、環境の変化と予期せぬ昇進。今年こそ100冊と思っていたのですが、結局、76冊どまり。
来年は90冊目標で頑張ります(笑)

さて、明日を残していますが、UPできそうもないので07マイベストを。左のカラムに順次発表していますので、感想はそちらで。

【07マイベスト】
①悪人 吉田修一
②スコーレNo.4 宮下奈都
③八日目の蝉 角田光代
④映画篇 金城一紀
⑤カシオペアの丘で 重松 清
⑥モノレールねこ 加納朋子
⑦檸檬のころ 豊島ミホ
⑧朗読者 ベルハルト・シュリンク
⑨サクリファイス 近藤史恵
⑩風の影 カルロス・ルイス・サフォン

【衝撃本】
・鹿男あをによし 万城目学
・神様ゲーム 摩耶雄嵩
・ぼくらの 鬼頭莫宏

てな、感じです。相変わらず、新旧取り混ぜての、ベスト。画期的なのは、数少ない翻訳物が2冊入ったことですか。

この1年、ありがとうございました。
来年もよろしくおねがいします。よいお年を(祈)
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朝日のようにさわやかに 恩田 陸  

朝日のようにさわやかに朝日のようにさわやかに
(2007/03)
恩田 陸

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<ホラーあり、ミステリありの様々な味が楽しめる恩田ワールド>

恩田さんの作品は、ホラー、ミステリが好きなのですが、この短編集はいろんな味が詰まった作品に仕上がっています。

ビールから、トランペッターへ、そして心太へ。話は子供の頃の謎へ移ってゆく表題作。ホラー、ミステリ、SF、学園ものなど、恩田作品の魅力満載の14の短編。

いやはや、楽しかった。だって、いきなり、「水晶の夜、翡翠の朝」では、水野理瀬シリーズでおなじみのあの学園が登場。それもヨハン君が主人公だから、面白くないわけがありません。この短編もいいのですが、その他の作品をおさらいしたくなるんですね。

「あなたと夜と音楽と」はラジオ局に置かれる不可思議な物。これは一体何を見立てているのか。そして、真相は…。クリスティ「ABC殺人事件」へのオマージュで作られた小説です。

わたしが、一番好きなのは「冷凍みかん」。短編なので多くは語れませんが、冷凍みかんが実は○○の、ミニチュアというところがミソ。実に怖い短編です。

「おはなしのつづき」…これはもうラストが実にいですね。といっても、ハッピーなものではないところが恩田さんらしいともいえます。悲しすぎて、涙を誘う。

「淋しいお城」…これは、出る出ると言われているミステリーランドのお話の予告編として書かれたもの。ミステリーランドが実に楽しみです。

などなど、実に多彩なラインアップ。なんせ、普通小説もあり、そして、スプラッタ・ホラーまであるんですから。99年から06年までの8年間の短編集です。だからこういう作品集になるのも、分かる気がします。しかし、それぞれ寄せ集めてきな短編集ではなく、それぞれが、意味があり、どういう意図で書かれたものかあとがきに書かれているのがまた楽しいんです。
あとがきは、まさに最後に読まれることをオススメします。

いろんな味が詰まったこの短編集。
わたし的には、ウキウキしながら、コインを入れ、ガチャガチャをしている気分で読みました。コインを入れ続けてしまうんですね。
これぞ、恩田ワールド。

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ベストの季節③

月刊PLAYBOY

この前ですが、月刊PLAYBOY12月号を購入。オールタイムベスト100という特集があったので購入したのですが、まずいことに置き忘れてしまいました。
当然男性誌ですので、おまけにPLAYBOYですので、まずかったなー。

私の目当てはオールタイム100。
さて、これがベスト3しか覚えていない。それもちょっと怪しいのですが、↓の3作だったような。

第1位明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 (ちくま文庫) 第2位火車 (新潮文庫) 第3位マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

注目は宮部みゆきさんの「火車」。もう何年前になるんだろう、この作品を読んだのは。とにかく、斬新でした。
それから、宮部作品に傾注していったけなー。しかし、ここ最近、ぴたっと読むのをやめてしまいました。これという、理由はないのですが。
気分かなー。いやいや違う。理由はこれだと思います。…長い。
とにかく厚いから、根性入れて読まなくては進まないからです。

よしっ、来年は宮部作品を再読も含め、読みます。とりあえず、1ヶ月に1冊は読もう。目標12冊。実は思いいれたっぷりの作家さんですので…。
何度も言いますが、ただ長いからなんです。頑張るぞー。
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1985年の奇跡 五十嵐貴久

1985年の奇跡 (双葉文庫) 1985年の奇跡 (双葉文庫)
五十嵐 貴久 (2006/06)
双葉社
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<甲子園は夢じゃない。笑いと涙の痛快青春野球小説>

五十嵐さんの作品は、不思議なことに未読なんです。五十嵐さん、ごめんなさい。今回のこの作品は、前々から評判だったのですけれど、読み逃していた1冊です。
うわさに違わず面白かったなー。この年号もの(と命名していいんでしょうか)は「2005年のロケットボーイズ」、近著では「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」と続くのですが、その前段として、読みたかった1冊なのでした。
きっと、これから読み続ける作家さんになろうと思います。

おニャン子クラブに夢中になり、阪神タイガースの快進撃に呆然とし、日航機が御巣鷹山に墜落した1985年。小金井公園高校に一人の転校生、沢渡がやってくる。それが奇跡の始まりだった。

いやー。面白かった。ここまで読ませてくれるとは思いませんでした。元々、野球好きのわたし。野球小説とくれば、読まないわけにはいきません。しかし、五十嵐さんの作品は未読。眉唾もので読んでみることにしたのですが、いやー、面白い。
一級のエンターティメントの作品ですねー、これ。

冒頭から引き込まれます。なんせ、ケンカの場面から始まりますので。それが、何が原因かというと…。おニャン子クラブなのですねー。一大ブームを巻き起こしたおニャン子クラブで誰が一番かという、他愛もないケンカなのです。そんな時代だったんですねー。それが、また懐かしいのです。

私は、22年前の1985年は、何をしていたのだろう。確かにおニャン子クラブで日本中が沸いていたし、阪神タイガースの快進撃にびっくりしていましたね。掛布、バース、岡田のバックスクリーン三連発もこの年でしたね。そして、日本中を悲しみに包んだのが、日航機の墜落事故。芸能関係者、著名人も沢山乗っていて、犠牲になったことで、衝撃を与えた年ですよね。
そんな年を、五十嵐さんは、選んで作品にしました。おそらく、わたしたちの年代なんでしょうね。

小金井公園高校に転校生がやってくるところから、物語は動き出します。サウスポーで凄いピッチャーなのですが、故障したらしい。しかし、ある事件でその潜在能力が発覚し、野球部に入部。あれよあれよという間に勝ち進みますが、ある秘密があるのですね。
弱小寄せ集め野球部にとって、このことがきっかけで崩壊の危機になるんです。ここからが第二の見せ場。
雪辱を期すために、猛練習をしていくんです。そして、もう一度沢渡をマウンドに立たせるために。
これが泣かせる。女子高校のグラウンドを借りながら、細々とまじめに取り組むんですよね。

もともと、この学校は進学校で、落ちこぼれは野球部に集中しているんです。そんな学校に一泡吹かせるというのが、もう一つのキモ。そして、沢渡はマウンドに立つのか。
こうして、チームがまとまっていくんですね。
とっても個性的な面々。何せキャプテン(オカ)はくじ引きだし。三つ子。アンドレ、イートンと野は、ただの集まりという面々だもの。それがまとまっていくんだから、奇跡なんです。

これだけではありません、本当の奇跡は、まだあるんです。いろんな意味で管理する側に反発する高校生の姿を描いているんですね。そう、尾崎豊の歌のように。いやー、懐かしい。わたしの世代にはたまりません。そんな、懐かしさを引き出す作品と同時に、真っ向勝負の青春小説でもあり、野球小説、恋愛小説もあったり、まさに一級のエンターティメント作品なのです。

さて、おニャン子クラブといえば、会員№.8「国生さゆり」でしょう(懐)。
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ベストの季節②

このミステリーがすごい! 2008年版
このミス2008年版の海外編・ベスト3は↓の作品(左から1~3位)。

第1位ウォッチメイカー 第2位復讐はお好き? (文春文庫 ハ 24-2) 第3位TOKYO YEAR ZERO

どれも読んでみたいのですが、このところまったく、翻訳ものを読む気力がなくて、遠い存在になってしまいました。
以前は、ほとんど翻訳ものだったのですけど(笑)。

注目は1位と3位。ディーヴァーは根強い人気。ついに1位になっちゃいました。わたしは、このシリーズの「ボーン・コレクター」しか読んでいませんが、今なおこのシリーズで1位を取るとは、さすが。ジェットコースターノベルですね。

3位はTOKYO三部作。これまた結構、評判がいいみたいです。

そこで来年の目標。翻訳物を読みます!
とりあえず、ライムシリーズ全作と「TOKYO YEAR ZERO」は制覇します。というか、制覇したい今日この頃。


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Lady,GO 桂 望実

Lady,GO Lady,GO
桂 望実 (2006/07)
幻冬舎
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<勝ってこう。キャバ嬢への華麗なる(?)転身>

桂望実さんの作品は、「県庁の星」を読んで以来、二作目。言っちゃー、悪いけどどうも「県庁の星」はピンと来なくて、面白いことは面白かったのですが、のめりこめなかったというのが本音のところ。しかし、この作品は面白かったー。全く、畑が違うキャバ譲という設定が読ませ、読後はなぜか元気になるいい作品です。

南玲奈は派遣の仕事からも声がかからず、生活にも困窮している。その場しのぎにやってみたのが、キャバクラ嬢。友人の姉、泉に六本木のキャバクラを紹介され、働くことに。そこは、華麗で厳しい夜の世界だった。

いやー、結構面白かったです。桂望実さんという作家を見直してしまいました。設定がキャバ嬢というのがいいですね。
派遣の仕事からも声がかからず、生活に困っている玲奈が誘われたのが、キャバ嬢。最初、友人の進めによって、タイニュー(体験入店)して、二万を稼いだのだが、友人が紹介料としてお金をせしめていた事がショックで、なかなか踏み切れない。
しかし、同級生の姉泉と出会うことにより、そのキャバ嬢としての矜持と、プライドある生き方に魅かれていくんですね。
まさに接待業のプロ。

玲奈は思ったこともなかなか言えず、自分でもジレンマを抱えて生きてるんですが、キャバ嬢にとってうってつけの、配慮だということを知って頑張っていくんですね。

夜のキャバ嬢を男性心理を知り尽くしたケイや劇団員として、二足のわらじを履きつつ、自分の夢を追っているしほに出会い、自分の夢は一体何かということに話は変化し始めます。ちょうど、飛躍的に売り上げを伸ばしているんですね。
いろんなことを学んでいきます。お客への配慮と次に繋がるメール。これが相手に気分を害さず断れる方法なんですね。「ありがとうごめんなさい」が何回、1日のうち言えたかを復讐する。これが配慮を養うんですね。
また顧客情報でもあるメモをこまめに取るということが必須。
そして、努力した自分にご褒美をい与えることが次の目標になること。
うーん、どれも生活上の参考になるなー。

ちなみに、わたし、頑張った自分に気休めのご褒美を、することにしているんですが、このシーンだけでも共感。次の目標って、特段ないのだけど、自分を励ます手段かな…。

次第に自分の夢ってなんだろうと思い始めます。会社のリストラにあった父がタクシー運転手に転身しているのを見て、いよいよ自分の夢を探していきます。結局、接客業が自分に一番合っていることを見つけ、次の夢に…。

とっても、爽やかでいい話。読み進めていくとどんどん元気になっていく。玲奈のように頑張りたいと思うようになります。
しかし、それには周到な準備と努力が必要なんですね。

勝ち負けにこだわった生き方ばかりがいいとは思わないが、やるからには、「勝ってこう」と思うのです。
そう「勝ってこう」よ、みんな。
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07-08年末年始本

一挙押し寄せた図書館の予約本を取りに図書館に行ってきました。
今年もあとわずか、お世話になった図書館も本年最後。そこで年末年始本として一挙10冊を借りてきました。
ラインアップはこちら↓。さて何冊読めることやら(笑)。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)僕僕先生永遠のとなりシンデレラ・ティースしずく
晩夏のプレイボール雲の上の青い空映画篇きみはポラリス
あと1冊(画像なし)は「学校のセンセイ」飛鳥井千砂さんです。

さて、頑張って読みます。充実の年末年始になるように(祈)。

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ベストの季節①

今年も後もう少しですね。
この季節は、その年の総決算。特に本関係はベスト選出本の花盛りですね。

さて、昨年は買わなかった「このミス」を買ってしまいました。
このミステリーがすごい! 2008年版
やはり気になりますねー。

ちなみに「このミスベスト5」はこれ(左から1位~5位)。
警官の血 上巻赤朽葉家の伝説女王国の城 (創元クライム・クラブ)果断―隠蔽捜査2首無の如き祟るもの

わたし、まったくこの作品読んでいません(泣)。あまりに疎くなっているのでショックでした。
あれほどミステリー読んでいたのに。
1位は実力派。昨年、「制服捜査」で大復活された作家さんですね。
2位はは今年大ブレーク。新作もすごいらしい。
3位は本格ミステリーの第一人者。久々のシリーズ。
4位は「隠蔽捜査」の続編。
5位はカバーのとおりホラーとミステリーの融合作。

本当に読まなくてはいけませんです。とりあえず、上位は読むぞー。しかし、シリーズモノも結構あるので、こりゃ第1作から読まなくては。
と考えているうち、新作はどんどん発表され、追いつかなくなるんだよなー。
あー、本読みの悲しい運命。

とりあえず、来年は、この作品たちと1位を祝して、佐々木譲さんの読み直しを決意しました。
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Rのつく月には気をつけよう 石持浅海

Rのつく月には気をつけよう
石持 浅海 (2007/09)
祥伝社
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<酒好きにはたまらない一冊でしょ、これは。それでいてミステリーだもの>

いやー、予想外(失礼)に面白かったのです。料理ミステリーとばかり思っていたのですが、それにお酒が関わっています。何とも贅沢なミステリー。わたしもですが、酒好きにはたまらない作品です。

大学からの飲み仲間の湯浅夏美、長江高明、熊井渚。今日もとっておきの酒ととっておきの肴の組み合わせで、酒を飲む。しかし、本当の酒の肴は、毎回連れてくるゲスト。思わず、飲みたくなるミステリー短編集。

とりあえず、このメニューたちを紹介しましょう。
ボウモア(ウイスキー)と生ガキ。ビールとチキンラーメン。泡盛と豚の角煮。日本酒と銀杏などなど。のんべえにはたまらない取り合わせですよね。特に、泡盛と豚の角煮。日本酒に銀杏など最高の取り合わせではないですか!(自分が好きなもので、あしからず)
「そんなお酒と最高の肴のお話」、ではないんです。もう一つの酒の肴は、毎回連れてくるゲスト。このゲストのお話がこのミステリーの最高の演出なんですよね。

謎を解くのは長江高明。この長江、大学時代に悪魔的な頭脳を持った男として、有名。それ故に、彼女も友だちも引いていったという過去を持つ男なのです。しかし、この3人だけはずっと、友人のまま。飲み友だけで、持っているというといっても過言ではないんです。

そんな長江の住むワンルームマンションが、飲み場所なんですね。そして、料理を作ったといえば、呼び出され、いい酒を持ち寄る。酒がない一人は、ゲストを呼ぶ。その繰り返しなんですが、この肴を基にした謎を長江がいとも簡単に解きほぐすんです。
場所は特定。飲んでいるその場所で。
この辺がディスカッションミステリーの、第一人者の石持さんらしいのですねー。

どの話もとてもいいですが、最終話の「煙は美人の方へ」が最高に好きですね。長江自信の謎を解いていく、ゲストの健ちゃんがかっこいい。
そして、とっても長江らしいエピソード。そして熊井さんも関わっていて。

その他の話も、ほのぼのと、怖く、あるいは残酷な話も満載。まさに、さまざまな肴なんですね。
カバーも絶妙にいいですね。挿絵も。これは、一献酌み交わしたくなります。気心の知れた仲間と飲み明かす時って、幸せなんですよね。
あー飲みたくなる1冊ですよ、これ。
わたしは、熊井渚が長江にいちゃもんを付ける時のセリフが頭から離れません。
「ちょっと、揚子江」(笑)
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さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩

さよなら、そしてこんにちは さよなら、そしてこんにちは
荻原 浩 (2007/10/20)
光文社
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<ブームを斬る!ユーモアとペーソス溢れる短編集>

荻原さんの新作です。といっても、随分、荻原作品は読んでいなかったよなー。われながら、反省。久しぶりの荻原作品はユーモア小説。やはりこの作者のユーモア小説はピカイチです。

泣き上戸と笑い上戸の葬儀屋さん。念願の田舎暮らしを始めた家族。スーパーの食品を担当する男。アクションヒーローに熱を上げる主婦。頑固な寿司職人。イタリア帰りの料理作家。クリスマスのお坊さん。ユーモア溢れる7話の短編。

どの作品も緒面白かったです。表題作の「さよなら、そしてこんにちは」から、いきなりツボにはまってしまいました。ですからあっという間の読書。
「テンゴン宗」で大笑いしてしまいました。
人の死を生業とする葬儀ビジネスは、今や2兆円産業だとか。これほど、辛く家族や人生に直面しているビジネスもないよなー。しかし、荻原さんは、それを笑いに変えました。主人公の妻の出産と重なることを背景に、生と死を荻原流に表現したのです。上手いなー、ほんとに。

「ビューティフルライフ」はリストラを期に田舎の農園を経営しようと引越した家族の話。東京から6時間もかかる田舎なのです。もちろん、都会暮らしが染み付いている家族にとっては、不便だらけ。小高い丘に登らなければ、携帯が繋がらないなんていうのが笑いのツボ。
しかし、田舎ならではの空気の美味しさや、新しい出会いなども、ラストには書かれ、とっても爽快感ある話になっています。

そんな話が7つ。あるようでないともいえない、お話の数々。今の時期なら長福寺のメリークリスマス」がオススメかな。クリスマスに翻弄される住職の話しなのですが、これがまた可笑しく、温かいのです。

この設定をよく荻原さんは思いついたものです。日ごろから、社会現象に批判精神を持ち、いろんなアンテナを張りまくっているのでしょうね。ある意味参考になりますよ、これ。
荻原さんの職業小説は掛け値なく面白い。笑いの中に、悲哀も感じ、現在の自分を省みてしまうこと間違いなし。ここにもわたしや、あなたがいるのでは。

名手が、8年に渡って、書いてきた短編集。ぜひ、手にとって見てください。荻原ワールドに引き込まれること間違いなしの作品です。
「ウイ、サバ、コマンタレブー」が頭から離れない(笑)
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しゃばけ 畠中 恵

しゃばけ (新潮文庫) しゃばけ (新潮文庫)
畠中 恵 (2004/03)
新潮社
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<妖(あやかし)より恐ろしいのは人間>

先日、ドラマ化されていましたね。
我が家のマイ・ブームはこの「しゃばけ」シリーズ。高校1年のめいが、今年熱を入れて読んだのが、このシリーズです。おかげで、5作目まで揃ってしまいました(笑)

「しゃばけ」シリーズの第1作。実に愉快で面白い。こんなに面白いシリーズを逃していたなんて…。
さあ、大江戸妖怪ファンタジーの開幕です。

廻船問屋問屋長崎屋の跡取り息子の一太郎。17歳にして薬種問屋を任されている。しかし、一太郎は生まれながらにして身体が滅法弱い。いつも寝込む日々。その一太郎に寄り添うように守るのは犬神と白沢。一太郎には、人間には決して見えない妖怪たちの姿が見える。そんな一太郎が遭遇する殺人事件。

一太郎が備えている特殊能力「妖怪が見える」というのが楽しい。生き物だけではなくどんなものにも精霊が宿っているという、江戸ならではの考え方が斬新です。これが、この物語のキーになっています。

妖怪たちがまた可愛い。鈴についている彦姫、屏風のぞき、鳴家(やなり)などなど。そして、いつも側にいる、犬神と白沢もまた妖怪の上に立つ兄貴分。それより上の一太郎はまさに妖怪を束ねる王子。わたしはアニメ「怪物くん」を思い出してしまいました。

さて、なぜ若だんな一太郎には妖怪が見え、妖怪が身を守っているのか。それは、彼の出生の秘密に絡んでいるのです。これが第2のキー。
そして、若だんな一太郎が事件の謎を解いていくうちに徐々にわかっていく生い立ち。どうしても逃れることができない運命に、立ち上がっていくのです。

いつも寝込んでいる若だんなが闘うラストは、すごくかっこいい。まさに妖(あやかし)を束ねるプリンス。わたしはてっきり、江戸を舞台にした推理小説と思っていましたが、こういう展開だったとは…。
娑婆気とは、俗世間における、名誉・利得などのさまざまな欲望にとらわれる心のことだそうです。図らずも小説の中で妖たちがいう、「妖より恐ろしいのは人間」という言葉が最後まで心に残ります。

さて、このシリーズの開幕の作品は、まだまだいろんな謎を残してくれています。これから徐々に明らかになっていくことでしょう。
そしてもう一つ、カバーの作者柴田ゆうさんの表紙が実にマッチしていて、かわいい。
本作品は、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。なるほどとうなづける1冊です。


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探偵ガリレオ 東野圭吾 

探偵ガリレオ (文春文庫) 探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾 (2002/02)
文藝春秋
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<探偵湯川学(ガリレオ)登場。度肝を抜くトリックの数々>

ドラマ化され、なかなか好評のようですね。
「容疑者xの献身」も映画化だとか。やはり、映像化すると原作のイメージと違ってくるものですね。決して福山さんが悪いといっているのではありません。でもやはり違うような…。以前のものですが再UPします。

帝都大学理工学部の助教授湯川を訪ねるのは大学時代の盟友、警視庁捜査1課の草薙である。謎の殺人事件は全く正体不明。しかし、湯川はその物理学の知識から簡単に解いてしまうのだった。

各章のタイトルが面白いのです。列挙してみると「燃える」「転写る(うつる)」「壊死る(くさる)」「爆ぜる(はぜる)」「離脱る(ぬける)」このタイトルどおりの殺人事件が起こります。

湯川に相談に来る草薙が持ち込む殺人事件は不思議なものばかり。
「突如頭が燃えた」「突然現われたデスマスク」「幽体離脱した目撃者」などなど。
とても不思議な出来事。しかし、湯川にかかるとさも簡単に事件が解かれてゆく。
でもでも、ちょっとそんなバカな…、と思ってしまう事件ばかりなのです。まったく現実性はないのですが、こうした科学や物理学の知識はなるほどと思えてしまいました。

草薙が湯川を訪ねるところが面白い。いつもきまって度肝を抜く実験をしているんですよ。おまけに洗ったかどうかもわからないコップに決まってインスタンコーヒーが出される。そうなんです、湯川の性格がここでわかるんですよね。
このコンビが本当に可笑しいのです。

「燃える」で度肝を抜き、「転写る(うつる)」であ然とさせて、後はなるほどこういうパターンと読めてしまう作品だけど、なぜか癖になります。ありえそうもない話に次はどういう手を使ってくるのかと気になってくる作品なのです。

このシリーズもやはり読まなくては。しかし、頭にでくるのはわたしの場合でんじろう先生なのですね。本当にこういった科学の知識って面白いですよね。なるほどと思ってしまいます。ただ、ストーリーはいけません。この作品はトリックが大きな仕掛けですから。そういう風に読んでください。

それともう一つこの作品のいいところ。表紙のデザインを書かれた塩谷博明さんの絵が非常にいいです。塩谷さんのHPぜひ見てください。いろんな作家さんのカバーをデザインされているとともに、数多くのとってもきれいな作品があります。東野作品の特に文庫版ではおなじみですよね。
そんなこの作品はただ楽しめた作品でした。
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神様ゲーム 麻耶雄嵩 

神様ゲーム (ミステリーランド) 神様ゲーム (ミステリーランド)
麻耶 雄嵩 (2005/07/07)
講談社
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<ぼくは神様なんだよ。衝撃的な結末に呆然>

子供も大人も読めるミステリーが売りの「ミステリーランド」。しかし、これは子供には読ませたくない本です。それほど、衝撃的。おまけに誰も救われない話。しかし、この作家の凄いところは、ミステリーとしての面白さが十分に解っている作家さんなのです。

猫を殺すと事件が続発する中。芳雄は、転校生、鈴木君と知り合いになる。奇妙なことに鈴木君は「ぼくは神様だ」と名乗る。そして、猫殺しの犯人を探す中、親友の英樹が隠れ家の井戸で発見される。果たして犯人は誰なのか。

いやー、こわい。これは子供にはいかんでしょう。ショッキングなシーンも連続です。特に英樹の死あたりから、ぞわぞわと恐怖が押し寄せます。
よせばいいのに、鈴木君に犯人に天誅を頼んでしまう。そして、天誅が下ったのは誰か。怖くても真相が早く知りたい。そう思えてくるから、不思議です。
これがこの作家の仕掛けた罠なんですよね。

猫殺しがいつしか、殺人事件に変わっていきます。猫殺しは序章にしか過ぎなかったのですね。
そして、この作家、各章のタイトルに仕掛けを作っています。公表していいかなー。
ネタ晴らしになるので、やめましょう。ぜひ、本作品で確認してください。

冒頭からいろんな仕掛けと伏線がはられています。
これは、公表しちゃいましょう。「誕生日にいつも消せないケーキのロウソクの灯」が、ポイント。
上手いなー、この作家。ミステリーとして、久しぶりに堪能させていただきました。

しかし、何度もいいますが、子供にはちょっとショッキングかなー。動機も真相もあまりに衝撃的。
おまけに残酷なシーンだし。これでもかこれでもかと書かれては、子供にはいけないでしょう。
そして、ラストはもう一つの破壊=カタストロフィーが訪れます。

この破壊的な作家さん。最近、新作が出ていませんが、どうしたのでしょうね。この作家さんの作品は、ちょっと勇気が必要ですが、癖になる面白さです。
大人は読んでみる価値在りですので、ぜひぜひ。
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日傘のお兄さん 豊島ミホ

日傘のお兄さん (新潮文庫 と 17-2) 日傘のお兄さん (新潮文庫 と 17-2)
豊島 ミホ (2007/10)
新潮社
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<それでも私、お兄さんと一緒に逃げる。少女達の繊細で切ない気持ち>

「青空チェリー」に続く、単行本二作目の文庫化。文庫化にあたり大幅に改稿をしたそうです。どうやら初期の作品の書き込み不足による、改稿らしいです。

表題作「日傘のお兄さん」はネット上でロリコン男として、注目され追われている身のお兄さんが、「かくまってくれないか」と、夏美を訪ねてきます。幼い頃に毎日遊んでくれた日傘のお兄さんとの再会。それは危険な逃避行になる。ピュアで切ない少女の気持ちを描いた4編。

最初の単行本をわたしは読んでいないので、何ともいえませんが、大幅に書き加えられたらしいです。そして、落とされた作品も。
わたしは、落とされた「猫のように」という作品が気になりますねー。いっそのこと、単行本も読んでみようかなー。

さて、この作品は、何といっても「日傘のお兄さん」のインパクトですよね。ロリコンでネットで追われている「日傘のお兄さん」を匿い、一緒に逃げることにした夏美の、幼いときに抱いた気持ちのままが純粋に描かれています。

一緒に遊んでくれた日傘のお兄さん。ある日、突然姿を消したお兄さんとの再会に幼いときの気持ちが蘇ってくるのです。一緒に逃げる決心をした夏美。その決心の何と痛々しいことか。先も見えない中、幼いときに一緒に遊んだあの竹藪に帰っていきますが…。そこで待っていたものは何とも残酷で切ないんです。

作品的に好きなのは「あわになる」。24歳で死んだ私。初恋の相手、タマオちゃんの家に居つく事に。そして15ヶ月。「死んだものが新しく生まれ変わる」というお話。とっても切なくて、かといって、切ないだけではない、希望の宿るお話です。これなんだよなー、豊島ミホの作品に見える希望って。

「ハローラジオスター」もいいですねー。ちゃらんぽらんでいい加減に生きていたチセ。将来も見えない中、地方の大学に通うことになる。その中で出会ったノブオと付き合うことに。ほろ苦く、チセの成長が清々しい読後感を与えます。

一見、何のつながりもない作品のようですが、共通しているのは、「ピュアな気持ち」。
豊島ミホという作家の初期の作品といえど、その将来性が十分伺える作品なのでした。
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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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