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ぼくらの(1) 鬼頭莫宏

ぼくらの 1 (1) (IKKI COMICS) ぼくらの 1 (1) (IKKI COMICS)
鬼頭 莫宏 (2004/06/30)
小学館
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<少年少女15人が背負う過酷な運命>

めったにマンガは読まないのですが、今年読み始めた中で衝撃を受けたマンガです。これは書かなくてはと思い、レビューすることに。
この作品は1巻だけでは、決してその凄さが伝わらないのでしょうけど、まだ全巻読んでいませんので、忘れてしまう前に1巻ずつレビューします。

夏休み、学習交流自然学校に集まった中学1年生の15人。そこで、あれに出会ってしまう。それは決して後戻りできないゲームだった。

↑上のあらすじ、実は間違いがありました。一人、小学生が参加していました。この小学生の女の子が物語に、すごく影響して来るんだとわたしは読んでいるのですが、さてどうなるんでしょう。

どこにもいる中学1年生が、夏休みにとんでもないことになるんです。
なんと、どこから来たのかわからない、敵のロボットと闘うことに。与えられたロボットを「ジアース」と命名するんです。これもちゃんと意味があるんですね。
ここまでなら単なる正義のヒーローものと思えてしまいますが、ただのヒーローものではありません。ロボットが持っている武装なんかどうでもいいんです。

ここから描かれるのは、選ばれた15人の人生なんです。たった、13年の人生の中に、家庭や友だちとすごした、13年間がそれぞれに描かれていきます。そこが、単なるヒーローものと違うところ。
最初に選ばれたのは和久隆。サッカー好きの隆は、父の影響でサッカーを辞めた。考える時間が欲しいために。小高勝は、傲慢な父に兄弟が嫌がる中、父のようになりたいと願っている。父こそ何にも負けない、選ばれた人間と思っている。しかし、その父を…。

何て残酷な運命が待っているのでしょう。和久隆の章も、衝撃的なのですが、小高勝の方も、衝撃的。
彼らは一体何のために、誰のために戦っていくのでしょうか。

彼らの操縦席は日常のイスなんです。それぞれが思いのあるイス。これも伏線なんですよ。
まだまだ、謎を含んだ1巻ですが、今後の展開に目が離せません。

衝撃本であることは最初に書きましたが、決して爽快感は味わえませんので、そのつもりで。胸にどんよりと残ってしまうラストなんですね。しかし、次が読みたくなるというのも、不思議。それは、それぞれの人生が知りたいと思うからなんでしょうね。
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くちぶえ番長 重松 清

くちぶえ番長 (新潮文庫 し 43-10) くちぶえ番長 (新潮文庫 し 43-10)
重松 清 (2007/06)
新潮社
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<ちぶえ吹けば涙が止まる。マコトのような、人間でありたい>

この作品は、「小学四年生」という児童向け雑誌に連載された作品です。つまり、児童書の部類かなー。しかし、しかし、大人が読んでも十分面白くて、教えられることが一杯あって、そしてちょっぴり切ない物語に仕上がっています。

ツヨシは、小学四年生。ある日、マコトという転校生がやってくる。転向早々、番長宣言。宣言どおり、マコトは弱気を助け、強気を挫く、正真正銘の番長だった。

冒頭にも書きましたが、教えられることが沢山ありましたね。
一番は友だちとは?かな。いつから、こんな大人になってしまったのかったのか。少なくても、苦しんでいる仲間を助ける気持ちは持ち続けたいのですが。弱いものをいじめている人たちに整然と立ち向かう心ってものが年を重ねるにつれ、無くなってくるんですよね。
やはり、経験値がそうさせるのか。
最も自分が小学四年生のとき、マコトのような子だったとはいいがたい。むしろ、ツヨシタイプだったかもしれない。
そんな、自分の子供時代をも考えさせ、思い出させてくれるこの作品は、やっぱり、いい作品です。

マコトは父を幼い頃に亡くし、祖母の看病のために、ツヨシの街にやってくるんですが、決して卑屈にならず、むしろのびのびと過ごしていきます。それは、父の教えでもあるんですね。
「泣きたいときにはくちぶえを吹け。自然に涙は止まるから」などなど。心にちゃんと父がいます。
そんな父と小学生の時の友人だったのが、ツヨシのお父さん。
このお父さんが、いいんですよ。優しいんです。人形には泣きました。

話が戻りますが、自分が小学四年生の時、何をしていたんだろう?
たいしたことはしていなかったなー。引っ込み思案で思ったことが言えず、本ばっかり読んでいた子供だったようなきがする。
そんな時、転校生があったんですね。近くに越してきたんです。それから仲良くなって、高校まで一緒で。
どうしているのかなー。懐かしくなりました。

ツヨシはそんな番長マコトに引かれていきます。マコトも口には出さないけど、ツヨシのことが気になる様子。
さて、どうなるのでしょうか。
お決まりといえば、お決まりかな。悲しいけど清々しいラスト。

マコトを思い出すツヨシ。きっと、ツヨシは重松さん自信のことだろう。欲を言えばマコトと再会して、終わりにして欲しかったなー。でもあったら、思い出として、書けないか。

子供も大人も手にとって欲しい作品。
きっと何かを感じる作品です。
現実の中でもマコトに会いたいし、マコトのように生きたいと思いました。
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ホテルジューシー 坂木 司

ホテルジューシー ホテルジューシー
坂木 司 (2007/09)
角川書店
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<「正しい」と思っていても、「余計なお世話」になる、ホテルの世界>

坂木さんの本年、二作品目を読みました。上手く形容できないんですけど、働く人シリーズ?業界シリーズ?何といっていいのか分からないのですけど、。この作者の描く世界が好きです。やはり、それぞれの職業の誇りが描かれているからなのでしょうねー。

大家族の長女であるヒロ。長女であるゆえに一家の面倒を見てきた。姉弟が大きくなって、手がかからなくなって、母に「これからは好きにしていいよ」といわれる。そんな大学生ヒロがバイト先に選んだのは、沖縄のC級ホテル。その名も「ホテルジューシー」。そこでは、奇妙で不思議な人たちが働いていた。

家族のために、必死で働いていた、娘がホテルで働くことに。様々な良かれと思って行ったことが、大きなお世話と疎んじられる。ホテルというところはそういう業界なんですね。「お客様のため」って、一体何と主人公は悩むのです。でも嫌いじゃない、こういう主人公。ホテルの一面も垣間見られて、楽しい。

超C級ホテルなんですが、ここで働く人たちが、個性的。昼行灯のオーナー代理。絶品の朝食を作る比嘉さん。客の私物を障るクメばあとセンばあ。とんでもない人たちなんですが、温かいんですねー。このホテルはお客さまのためという意識が徹底しているんです。そういう、環境に慣れていない、主人公ヒロはでしゃばりすぎてしまう。
お客の真相に気付いてから、悩むんですねー。

ホテルを舞台にして、であった客達の日常の謎が解き明かされてくんですが、解き明かすのは、不眠症で昼は寝ているため、ボーっとして、夜にはしゃきっとしているオーナー代理。
ヒロといい感じになっていくんですが、これがまたねー。
最後の話でいうんですね。
「世界は柿生さんがいなくても回るし、このホテルもいなけりゃいないでなんとかなる」
おい、そりゃ、ないだろーと思いつつ、そういうものなんですよね。社会って。自分がいなくては回らないと思いつつ、いなけりゃいないで何とかなる。
そうなんだよなー。自分があくせく働いているのは何のためなんだろうと思ってしまいました。

しかし、働くことって楽しい。主人公ヒロが、ホテルで出会った人たちによって、どんどん成長していく姿が爽快。
特に、「越境者」での若い今風の二人に合った話が泣かせる。夜遅くまで、遊びまくる二人。しかし、二人の間には、あるトラウマがあったのです。ヒロと二人の仲が、急接近しているラストが秀逸。泣かせます。

そんな、ホテルで出会う様々な人たちのお話。沖縄という舞台もすごく、温かくて大好きです。何より、比嘉さんが作る郷土料理の数々。
ああ沖縄に行きたくなる。

この作品は、「シンデレラ・ティース」の姉妹編だとか。ヒロの友だちのサキが主人公だったのか。ああ、読んでいないことが残念!
これは読まなくては。
とっても面白い作品です。坂木さんの描く、業界シリーズに目が離せない!!
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借金取りの王子 垣根涼介

借金取りの王子 借金取りの王子
垣根 涼介 (2007/09)
新潮社
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<リストラ請負人、村上真介ふたたび。主人公はあなたやわたしかもしれない>

リストラ請負人、村上真介シリーズの二作目です。前作「君たちに明日はない」では、主人公の村上真介のキャラが立ってましたけど、今回はやや抑えた感じかなー。
決して、爽快な話ばかりではありませんが、余韻が残る作品になっています。

村上真介はリストラ請負人。デパート、サラ金、生保などの会社から雇われ、リストラのために乗り込んでいく。時には、しかたなく、時には同情を感じながら、仕事をこなしていく。リストラに直面した人たちの人生を描く五つの話。

いやー、面白かった。しかし、素直に笑えないよなー。ここに出てくる人たちは、会社勤めのサラリーマンばかり。
そう、私と同じ境遇ではないか!一つ間違えば(間違わなくても)、明日にもリストラの身。そんなわが身を感じつつ、読み終えました。

例えば「二億円の女」を見よ。デパートの外商営業部で働く営業目標、二億円の女性。仕事も順調なのだが、リストラ応じようとする。果たして、なぜ?答えは「数字に追われるのが嫌だから」
分かるよなー、分かる。
最初に入ったデパガに異動になって、輝きを取戻すというお話。

「借金取りの王子」は金融会社に勤める男の話。イケメンで王子と呼ばれた男はなぜ、リストラに応じようとするのか?

「山里の娘」は有名旅館の従業員のお話。難なく仕事をこなしつつも、都会で働きたい欲望を抑えきれず、リストラに応じようとする。

この三作は特にいいですね。表題作「借金取りの王子」のラストの美佐子と宏明の会話がいいですね。涙なくして読めません。いいなー、この夫婦。幸せとは仕事の価値ではないんですね。それを教えてくれる作品です。

皆、収入には不自由していないが、会社の中で働き甲斐や生きがいを感じないまま、過ごしている。つまり、いつでも辞めたいと思っている人たちなのである。家族のために、身を粉にして働く人もいますが、そんな人たちとは一線を画している登場人物なのです。もちろん収入も考えなくてはいけませんが、それよりも人間としてのモラルであるとか、生きがいであるとかを模索している人なのです。
どんな会社や生活の中でもある、悩み。つまり、ここに自分がいます。常識って何?会社って何?そう考えさせられるんですね。そして、このお話に出てくる人たちが見つけた居場所とはどこなんでしょう。

何とリアルな現代を書いてくれるのだろう、垣根さん。
これは現代小説であるとともに、社会小説でもあるとわたしは、思います。このシリーズが書き続けられれば、日本経済の構図が分かるのではないかな。
リストラ請負人を極力抑えつつ、リストラを受ける側を描いたこの手腕に脱帽です。

読み応え在り。前作で垣根さんの意欲作と失礼な書き方をしたと思いますが、もういいません。垣根さんの代表作にしてしまいました。これは、いい作品です。
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海 小川洋子

海
小川 洋子 (2006/10/28)
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<人との出会いが、不思議な世界へ誘う>

あの『博士の愛した数式』の前後に書かれた作品集。あの名作の余韻も少し感じられる短編集です。わたしは小川洋子さんは2作目。とっても味のある作品集です。

恋人の実家で、出会った弟は不思議な楽器を奏でていた「海」。街のガイドをしている母の一人息子が、観光で置き去りにされた老人を案内するお話「ガイド」。人との出会いの中で、温かさを感じる7編。

この作品はまず、装幀がいいですね。単行本ならではの素敵な装丁ですね。クラフトエヴィング商會コンビの装幀ですものね。いいはずです。画像では見にくいかもしれませんが、ブルーのストライプがとってもいいんです。すごく静かな海を表わしています。表題作ともマッチしていますね。
その「海」。弟が奏でる不思議な楽器。鳴鱗琴の音色が聞こえてきそうな感覚に陥るから不思議です。

超短編も2編。どちらもいいですね。「缶入りドロップ」の運転手さん最高です。

「バタフライ和文タイプ事務所」は艶かしい作品です。新米和文タイピストのわたしが、活字を摩損させて、管理人のところに作成を依頼するんですが、その活字がすごい。『糜』『睾』そして『…』。わたしは吹いてしまいました。その字に対する講釈が「博士の愛した数式」の数字の世界のようで、思い出してしまいました。しかし、とってもエロチックなんですね。字を見れば分かりますが…。

そして最後の「ガイド」。とっても温かい話でした。このラストの息子の優しさにホロリです。老人の職業は題名屋。少年との1日を題名にすると「思い出を持たない人間はいない」。この少年と出会った一日が老人にとって、素晴らしい日だったということなんですね。いい話です。

その他の作品も、いいですよ。
とっても味があって、奇妙で、不思議、そして温かい短編集。今後も小川洋子さんの作品を読み続けますとも。はい。
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レインレイン・ボウ 加納朋子

レインレイン・ボウ (集英社文庫) レインレイン・ボウ (集英社文庫)
加納 朋子 (2006/10)
集英社
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<ソフトボール部の仲間の死から、浮かび上がるそれぞれの人生>

加納朋子さんは、今年3冊目の読了です。どれも味があってよかった。この作品も読み逃していたのですが、集英社の夏の100冊で、思わず手に取った作品です。これもまた、いいんですよ。上手いんです。

高校を卒業して7年。ソフトボール部のメンバーの一人、知寿子が急死する。再会するメンバー達。知寿子の急死を基に、それぞれのメンバーの7年後が語られる。

それぞれのメンバー達が紹介され、現在が描かれます。主婦になっているもの。編集者、保育士、看護士、フリーター、栄養士、会社のOL。それぞれが、それなりに頑張って生きてるんですね。
それぞれの色を持ちながら。そんなことを考えているとタイトルの意味が分かってくるんです。
そして、各短編にもちゃんと色が使われている。なーるほど、うまいなー、この作者と思ってしまいます。

特に好きなのは井上由美子の章。栄養士である会社の食堂に派遣されるんですが、そこを仕切っているのは、三人の山本さん。人気もない食堂が縮小されるという噂を聞き、由美子は次々と斬新なアイデアで食堂を立て直していくんです。その過程が爽快です。そして、信頼を得るんですね。つまり、それぞれの話の各人がちゃんと成長しているという、青春小説でもあるんですね。
こういう話が好きなんです、わたし。

しかし、加納さんはミステリー作家。ちゃんと、各章に謎を用意しているから驚きです。それもちゃんと解決し、そして、主題でもあった知寿子という人物が語られていくんですね。うまい、うまい。

しかし、それだけではありません。ソフトボールは9人。ここで語られるのは7話7人。知寿子を入れて、8人。そして、最後語られなかったメンバーがいる。なるほど、そういうことかと、最終話までいって、気付くんです。

加納さんって、こういう作品が得意ですよね。入れ子っていうんでしょうか。ミステリーの中に、ミステリーをいれ、さらに全体を通しての謎を仕掛ける。ミステリーと読んでも面白いし、うまい。
しかし、この各人の生活をリアルに感じてください。どこかに、あなたやわたしもいるのではないでしょうか。
そして、読み上げた時、爽快にちょっぴり、元気になっているから不思議。
何度でもいいます、加納さんは、上手すぎる!



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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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