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さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩

さよなら、そしてこんにちは さよなら、そしてこんにちは
荻原 浩 (2007/10/20)
光文社
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<ブームを斬る!ユーモアとペーソス溢れる短編集>

荻原さんの新作です。といっても、随分、荻原作品は読んでいなかったよなー。われながら、反省。久しぶりの荻原作品はユーモア小説。やはりこの作者のユーモア小説はピカイチです。

泣き上戸と笑い上戸の葬儀屋さん。念願の田舎暮らしを始めた家族。スーパーの食品を担当する男。アクションヒーローに熱を上げる主婦。頑固な寿司職人。イタリア帰りの料理作家。クリスマスのお坊さん。ユーモア溢れる7話の短編。

どの作品も緒面白かったです。表題作の「さよなら、そしてこんにちは」から、いきなりツボにはまってしまいました。ですからあっという間の読書。
「テンゴン宗」で大笑いしてしまいました。
人の死を生業とする葬儀ビジネスは、今や2兆円産業だとか。これほど、辛く家族や人生に直面しているビジネスもないよなー。しかし、荻原さんは、それを笑いに変えました。主人公の妻の出産と重なることを背景に、生と死を荻原流に表現したのです。上手いなー、ほんとに。

「ビューティフルライフ」はリストラを期に田舎の農園を経営しようと引越した家族の話。東京から6時間もかかる田舎なのです。もちろん、都会暮らしが染み付いている家族にとっては、不便だらけ。小高い丘に登らなければ、携帯が繋がらないなんていうのが笑いのツボ。
しかし、田舎ならではの空気の美味しさや、新しい出会いなども、ラストには書かれ、とっても爽快感ある話になっています。

そんな話が7つ。あるようでないともいえない、お話の数々。今の時期なら長福寺のメリークリスマス」がオススメかな。クリスマスに翻弄される住職の話しなのですが、これがまた可笑しく、温かいのです。

この設定をよく荻原さんは思いついたものです。日ごろから、社会現象に批判精神を持ち、いろんなアンテナを張りまくっているのでしょうね。ある意味参考になりますよ、これ。
荻原さんの職業小説は掛け値なく面白い。笑いの中に、悲哀も感じ、現在の自分を省みてしまうこと間違いなし。ここにもわたしや、あなたがいるのでは。

名手が、8年に渡って、書いてきた短編集。ぜひ、手にとって見てください。荻原ワールドに引き込まれること間違いなしの作品です。
「ウイ、サバ、コマンタレブー」が頭から離れない(笑)
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誘拐ラプソディー 荻原 浩

誘拐ラプソディー (双葉文庫) 誘拐ラプソディー (双葉文庫)
荻原 浩 (2004/10)
双葉社
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<人生はオーケセラセラ>

いやー、楽しかった。絶妙の主人公と子どもの会話。久しぶりにケラケラ笑った快作でした。

賭け事が好きで、サラ金に借金をし、挙句にお世話になっている親方を殴って飛び出た伊達秀吉。自殺を試みるものの、その勇気もない。車に無断で入り込み眠っている少年篠宮伝助を見て誘拐を思いつく。 

実はこの少年の父親は「ボーなんとか」という会社のオーナーである。実はその筋のオーナー(組長)なのです。総力を挙げ、追う組長以下、その筋の人たち。そして、香港マフィア。それに警察。三つ巴の戦いはまさにラプソディ。
この作品はなんといっても、主人公が誘拐する伝助。まさに子どもの中の子ども。
「ふぁ~」「コケコッコー」「トレントレン」「ンガッ」「けぽ」などの言葉は最初、とっつきにくかったが、次第に効果が現われ、終わりはいい味になってきます。

伝助との逃走劇で自殺をしようとした秀吉の気持ちが「生きていりゃあ、いいこともある。悪いことばっかりじゃない」と変わってくるんです。伝助が希望を与えるんですね。秀吉の弟の面影を感じつつ。そして芽生える友情。
ラストはちょっぴり、涙ものですが、明るく爽やかに終わっています。

人物全てが個性的。そして、スーパー少年、伝助が本当にいい。
そう人生は「オーケセラセラ」でいきましょう。
ストレス解消間違いなしの快作「誘拐ラプソディー」。荻原さん上手すぎです。

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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あの日にドライブ 荻原 浩 

あの日にドライブ あの日にドライブ
荻原 浩 (2005/10/20)
光文社
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<もう一度、人生をやり直すことができたら…>

荻原さんは、本当にいろんなパターンの作品が書ける人だなーと感心してしまいます。シリアスにコミカルに、本当に沁みるんですよね、心に。この作品も例外ではありません。

長年勤めた銀行を上司との反発で辞めた、牧村伸郎。タクシーのドライバーに転職するもなかなか、売り上げが伸びない。そんな中で昔住んでいた町、アパートを見たとき、心の中に、人生やり直しができないかを模索していく。

学生時代付き合っていた恵美の住んでいるところを、こっそり訪ね、やり直しを考えていきます。このやり直しの妄想(イメージ)のシーンが笑うんですけど、あまりに多すぎて多少食傷気味に。中だるみになってしまったのは残念。

これだけの話なんですが、読ませるんですよ。誰もが抱えていると思う「やり直しができたら…」という気持ち。荻原さんはちゃんと、答えを用意してくれていました。大体予想はつくでしょ?
プロとしてのタクシードライバーの技(?)を学んで、売り上げを伸ばしていくんです。これ、ちょっと参考になります。

そして、これまでの人生、捨てたもんじゃないと思えてきて、元気が出てくるんです。この主人公の前職が今のわたしと同じ職業。さらに同年代となっているところもすんなり入って、随所にうなずいて読んでしまいました。
難点は、やはりイメージシーンの多すぎ。
これを、少なかったらどっぷり浸れたと思います。
しかし、わたしは好きです。
あなたは「もう一度、人生をやり直すことができたら…」、どうしますか。
わたしはきっと…。
ぜひ、読んでみて下さい。今の自分を見つめるきっかけの本になれば幸いです。

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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さよならバースディ 荻原 浩

さよならバースディ さよならバースディ
荻原 浩 (2005/07)
集英社
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<マコ、メ、ミズ>

バースディとは東京霊長類研究センターのボノボ(ピグミーチンパンジー)。このバースディは人と会話ができる。「バースディプロジェクト」に関わる真。一緒に働く由紀に結婚を申し込んだ日、あろうことか由紀は飛び降り自殺をしてしまう。

何よりこのバースディがかわいい。真や由紀たちはバースディを自分の子どものように可愛がります。研究のために利用されるバースディがかわいそうになってきます。それがわかっていながら、愛情をもって接する真と由紀。その切なさも伝わってきます。

そんな研究も恋人由紀の飛び降り自殺というショッキングな出来事で暗転。ここからドラマはなぜ飛び降りたのかに変わっていきます。目撃者はバースディだけ。人と会話できる能力を最大限利用し、真相を究明しようとします。

研究対象という動物と人間のエゴ。真も悩みながら、真相にたどり着きますが…。切ないんですよね、本当に。
切なさと裏腹にバースディを大学部内をの権力争いの描き方や、安達先生と由紀との関係などもう少し枚数を使って欲しいかった。前半が非常に良かったと思ったのはわたしだけでしょうか。真相も予想どおり。途中でわかってしまいました。

真とバースディとの会話「マコ 、メ、 ミズ」というのがずっと残り続ける作品です。
動物を主人公とし、その愛情が痛いほど伝わってきます。本当に可愛い。かたや人間はなんて勝手なのだろうと思える作品でした。
しかし、荻原さんだけにもう少し重厚さを求めたい気がするのです。十分には楽しめる快作といったところでしょうか。

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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