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がらくた 江國香織

がらくたがらくた
(2007/05)
江國 香織

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<この関係は怖いでしょう。何ともいえない後味>

江國さんを再び読みました。うーん、何ともいえない味ですよね。とっても読みやすいですよね。しかし、問題は心に残る作品かなという点ですけど。不思議な作品でした。

海外のリゾート地のプライベートビーチから物語は始まる。美しい少女を見つめている美しい中年の女性。少女は美海、15歳。女性は柊子、45歳。やがて東京へ戻った二人を主人公に展開される意表を突く人間関係。官能をかき立て、知性を刺激し、情感を揺り動かす、江國恋愛小説の記念碑的長編の誕生。【新潮社HPより】


リゾート地プーケットを母子で観光していたとき、ふと美しい少女、美海と出会う柊子。物語はこの美しい観光地で始まります。美海の父に魅かれ、関係を持ってしまう柊子だが、柊子にはTV局のプロデューサーの夫がいる。その夫もまた愛しているという、柊子。

分からないお話でしたね。リゾート地で浮気はするは、かといって、夫が嫌いでもなく、むしろ人がうらやむような仲のよさ。夫も浮気しているが、そんな夫の素行も十分知っている。浮気を重ねる夫を丸ごと愛している。それも夫だからと。
そんな柊子と夫の関係が、怖いんですね。世の中、こんな夫婦もいるのかなー。まあ、愛の形は様々だけに、いいんでしょうけど、この関係はやはり、引くでしょ。行きつけのバーで、バーテンダーの肉体に見ほれる妻に対する、夫の仕打ちなど、やはり、この関係異常だと思えますねー。

そんな見た目はおしゃれで、大人の夫婦に、リゾート地で知り合った、美海が絡んでくるんです。美海は友達もなく、それを苦には思っていない。母と父は離婚。母は別の男にぞっこんで、美海もかまっていられない。自分の恋を満喫しているんですね。
そんな母を尻目に、美海は自分の生活や出会いの中で、徐々に柊子に近づいていくんです。それが意識していたものかどうかは分かりませんが、何だか、最初から狙っていたんでしょうね。
わたしは、見た目は仲の良い夫婦に対する嫉妬心かなとも思っていたのですが、真相は分からないまいものでした。柊子の母親と仲良くなったのも、自分の親との愛情に飢えていたからなのか、嫉妬なのか。どうも良く分かりませんでした。

そして。ラストはこれですか?これって、救われませんよね。45歳と15歳でしょ。いくら、相手がかっこいいと言っても…。何のために。この夫がまた良く分からない。そんな人間関係を淡々と、渇いた筆致で書いていくんですが、これが怖いんです。やはり、異常でしょう、これは。救いようのない夫婦と少女との関係なんですけど、結局何だっのか。

不思議な作品過ぎて、わたしは答えは出ません。きっと、誰にも答えは出せないんでしょうけど。
そんな愛情もあるのかなー。男女の仲とはこれまた不思議なものと思えるお話でした。
救いは、柊子の母。料理は「食べるもの」、洗濯や掃除は「させるもの」。子供の学校行事だの親類縁者の冠婚葬祭だのは、欠席するもの」という、暢気なおばあさんかな。これまた、変なのですけど、この人たちの中では、面白いキャラでしたね。
この渇いた物語をあなたは、どう読みますか?
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号泣する準備はできていた 江國香織 

号泣する準備はできていた (新潮文庫) 号泣する準備はできていた (新潮文庫)
江國 香織 (2006/06)
新潮社
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<現実と過去の一瞬を切り取る短編集>

えー、恥ずかしながら実は初の江國作品。前々から気になっていたのですが、どうも読まず嫌いのところがあって、敬遠していたのですが…。一作では分かりませんが、わたし、この作者の空気と言うか、世界観というか好きですねー。

私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだから―。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる…。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。【BOOKデータベースより】


この作品の感想を書くのに、一体どう書けばいいのか迷いました。それだけ感想が難しい。読んでどう捉えたかではないんですね。ではどう感じたか。これも難しい。結局、過去と現実の一瞬の風景を女性の視点から捉えた作品集だといえます。わたしは嫌いではないです。ふわふわした文体とでも言うのでしょうか、それも特徴的ですよね。

書く前に幾つかの書評を参考にしたのですが、これだとやはり感じてしまいます。つまり、この作品で言えば、その浮遊感よりも、女性の怖さ…というか、結局は人間の怖さということになるんではないでしょうか。ふわふわとした文体の裏にあるものは、一瞬に切り取った人間の心理だと思います。

12編の短編集ですが、お気に入りは表題作だろう。愛し合った男とは半年前に別れた。ある朝、電話がかかってくる。姪を習い事に連れて行く合間に昔のことを思い出す女。外国を旅した頃よく墓地を散歩していたという。そして思うのだ「号泣する準備はできていた」と。それでも別れられない心理描写、いいですよね。でもやはり怖いなー。

浮気をしているらしい夫がお気に入りの下着を着ていった。それを思い出し夕食を作る「住宅地」。、愛する人と別れた主人公が、かって関係があったこともある男友達に抱き寄せられて泣き出すかわりに笑い出すという「手」。

日常のひとコマを切り取る手腕とその中の非日常の心理描写を丹念に描いているといっていいのではないでしょうか。そして、また日常に戻っていく主人公達。その描写が静々と淡々と書かれているのです。これって、怖いですよね。

女性心理というだけでは済まされない、人間の心の襞。記憶に残っている、嫌なものを描いているこの作品はやはり江國作品の特徴なのかもしれませんね。
そんな江國さんの代表作である本作品。わたしは普通の恋愛小説と思っていたので驚きました。
静かに、淡々と、日常を非日常を、過去を切り取るこの作品。やはり、人間ドラマというか、自分の人生のひとコマもどこかにあるような気がしてなりません。
また江國作品に挑戦します。
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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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