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ビールボーイズ  竹内 真

ビールボーイズビールボーイズ
(2008/02)
竹内 真

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<ビール・ダーッシュ!>

いつも寄らせてもらっているブロガーさんが、この作品をほめていらっしゃったこともあり、読みました。この作家さんも初読みなので、どうかなと思ったのですが、なかなか。
本の世界って、いろいろな蘊蓄を教えてもらえることが楽しいですよね。この作品は、ビール一色。楽しく、読ませていただきました。

北海道の新山市、正吉たちは、ビール工場の撤退のために憧れの茜が転校していってしまうのを惜しんで、秘密基地に集った。茜を転校させてしまうビールという存在へ復讐するために、皆でビールを飲んでしまおう! これが正吉の地ビール造りへと誘うきっかけだった。4人の仲間たちの12歳から30歳まで、ビールで結びついた友情と成長の軌跡を描いた感動の物語。名作『カレーライフ』につづく、フード系成長小説の決定版。きっとビールが飲みたくなるコラム付き。【東京創元社HPより】


お話は、幼なじみの四人組が秘密基地で、友だちを追いやった、ビール工場に復讐するために、ビールを飲み干すところから始まります。そこで見つけたプロペラは何のため?
四人組のそれぞれの人生と成長と別れの中から、大切な友情を描いた痛快な青春小説といっていいでしょう。ビール祭りと銘打たれた各章のタイトルは、なんでもなくただの幼なじみの飲み会。その飲み会が今後の人生にちゃんと繋がっているんですね。うまいです、この辺り。

そして、この幼い四人組のエピソードが妙に自分の学生時代とダブって、懐かしい。修学旅行でのビール祭りなど、笑うとともに、同じようなことしてたよなーと思うんですね。
そんな四人組なのですけど、ビール祭りを行った、今は東京に出て行る広治郎のペンション・パックの空き家を小火で燃やしてしまったことが、ずっと心に残ったままなのです。そこで、勇が消防署につかまるのですが、なぜ、つかまることになるのか。再び広治郎と再会し、正吉と薫がそこで勇に指示されて見つけたもの。ここのシーンでジーンときましたね。

ビールとは切っても切れない4人組。正吉は地ビールの生産を。薫は地元をPR。広治郎は町おこし、勇はバックアップ。そして、最後は。
ある意味、うらやましくなる友情の物語。いいですよね、この話。正吉の真面目な努力に頭が下がると同時に、ここまで一途に夢を追えることの素晴らしさ。なくしていたものを思い出させてもらいました。
そんな仲間に正吉が、伝えた感謝のもの。これがまたいいんですね。

薫の設定は、そうきたかと。特段、この設定でなくても良かったような気がするんですが。ちょっと違和感。普通の設定で良かったのではないかなー。そこが、少し引っかかってしまうのでした。まっ、そういう設定でないと、茜に繋がらないというのもあるのかも?

各章の間に挟まれたビールの蘊蓄が妙に詳しくて、最初は煩わしく思っていたのですが、これもちゃんと各章につながっていることに気付く。なるほど、ビールって素晴らしいよな。
元々、わたしはビール党。体調不良もあって、ビール断ちをしていたのですが、これを読んで復活。何とも罪作りな一冊でした。
この作品を読めば、きっと、あなたもビールが飲みたくなる一冊です。

素晴らしきかな、ビール。
友情とビールに乾杯!
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ルピナス探偵団の憂愁 津原泰水 

ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)
(2007/12)
津原 泰水

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<永遠の友情を。固く誓い合う>

この作家さんも初読みです。この方、広島の出身で、わたしとしてはどうも「ブラバン」が気になっていたのですが、読まずじまい。ミステリ作家として、名を馳せていらっしゃいますね。この作品は、よく行く読書ブログで紹介さたのと、書店員によるオススメ本として、取り上げられていましたので、読んでみることに。

高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女3人と少年1人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた4人のうち、1人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた3人に残されたのは、彼女が死を前にして百合の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった――。第1話「百合の木陰」から時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」までを辿る。津原泰水だからこそ書き得た、少年少女たちの「探偵」物語。〈ミステリーズ!〉連載の4編を大幅加筆修正。


さて、この作品はタイトルからすると、こてこてのミステリーと思いますよね。もちろん、ミステリーには違いないんですけどそれだけではないんです。友情と青春小説でもあるんです。そこが、いいんですね。学生の時からの友だちの四人組、彩子、キリエ、摩耶、祀島。
仲がいいだけでなく、その周囲に起こる難事件を解決していくんですが、冒頭の「百合の木陰」では摩耶が病死し、集まるシーンから始まります。なぜ、美人で誰からも好かれた摩耶が、早々とぱっとしない男性と結婚したのか。そこが謎なんですが、これだけではなく、広大な庭の木を縫うように蛇行した道を作っているんです。なぜ、こんなことをしたのか。
ラストは、泣けますー。

そして、この連作の短編集は、25歳の摩耶の葬儀で集まる第1話から遡っていき、ラストの「慈悲の楽園」ではルピナス学園の卒業式で終わります。遡っていくんですね。その中に、この4人組の仲のよさ、友情が凝縮されているんですね。わたしは、一作目の「ルピナス探偵団の当惑」は未読なんですが、十分楽しめました。この構成の最後の卒業式で、終わるというところが、大きなポイント。すなわち、友情の誓いで終わらせているというところが、深く感動を呼ぶんです。
この遡る手法、最近の流行ですかね(笑)。結構、これ読ませます。

友情小説としても上手いのですが、この作品は、ミステリー。内容はどうかというと、こちらは、もう一つでしょうか。「初めての密室」ではありえない密室の謎を解くんですが、まあ普通かな。「犬には歓迎されざる」では推理で挑戦されるんですが、この四人組が解決していくんです。謎を解くのは、論理的思考の祀島。様々な博学も披露し、楽しませてくれます。

やはりこの小説は、謎を解くというミステリではなく、友情小説と読むのがいいと思います。「初めての密室」で見せる摩耶の勇気にも感動しますね。そして、それは1話への伏線になっているんですというか、生い立ちの説明になっているんですね。そこがうまい!

四人組以外でもキャラが微妙に面白いし、笑う箇所もありました。そして、会話が絶妙。彩子の姉不二子は際立っていますね。そして、潔いきっぱりしたキリエがいいのです。
やはり、1話があっての最終話ですね。最終話を読んだ後、もう1回、最初の話に読んでみた時、じんわりとした感動を与えてもらえます。

友だちって、友情っていいですね。なんだかうらやましくなりました。
一人減ってしまったけど、このシリーズ続けてもらいたいと思います。その前に、第1作を読まなくてはです。
好きです、この作家さん。他の作品も読んでみたいと思いました。
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秋の牢獄 恒川光太郎  

秋の牢獄 秋の牢獄
恒川 光太郎 (2007/11)
角川書店
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<明日という希望がなくなる絶望>

この作品は、恒川さんの三作目。独特の異次元空間と文章が実に綺麗で、一作目の『夜市』からのお気に入りです。二作目は未読ですが、いまいち評判がよろしくないようなので、手がつかなかったのですが、三作目を読んでみて、なかなか力作。やはり、この人の世界観はわたしは、好きです。

11月7日、水曜日。女子大生の藍は、秋のこの一日を何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人……。何のために11月7日は繰り返されているのか。この繰り返しに終わりは訪れるのか?【角川書店HPより】


表題作のあらすじは↑のとおり。収められている作品は、三作。他に
移動する家を守るのは選ばれた者、誰かを欺いて、引き込むしか逃れられないという「神家没落」。
不思議な力、幻術を持つ祖母に育てられたリオ。子供から大人へ、さまざまな人と出会い、到達する境地を描く「幻は夜に成長する」。
どの作品も不思議な異空間世界を描いています。

共通するのは、その世界に閉じ込められる、環境であったり、心理であったり、まさに「牢獄」を描いています。
「幻は夜に成長する」を好きな方も多いとは思いますが、わたしは表題作が好き。突然、同じ日を過ごすことになった女性の不安が次第に絶望に変わる流れと、同じ日を過ごす、仲間との遭遇に怖さと明日の来ない絶望感が本当に怖いですね。
考えてみれば、明日が来るから、希望がでてくるし、「よし、頑張ろう!」となるのですが、明日が来ないと分かった日から、こりゃ絶望でしょう。そんな心理が実に怖かったです。
しかし、ある日一人ではないということに気付くんです。この作品で言うリピーターがたくさんいる。同じ仲間を見つけてゆくんです。そこに希望があるんですね。そして、脱出する唯一の希望は北風伯爵に連れて行かれる。
その後、戻れるかどうか分からないのですが…。

とにかくこの表題作にやられ、「神家没落」、「幻は夜に成長する」の印象がちょっと薄れてしまったというのがわたしの感想です。もちろんこの二作も素晴らしく、怖いです。
「牢獄」にとらわれた人を描くこの美しく怖い世界を是非、堪能してください。

それにしても、カバーを描いている、ミヤタジロウさんの装画が実に素敵ですねー。恒川さんの作品はこの人が描いているのかなー。いやーこれにもやられた。注目します、わたし。

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ぼくのメジャースプーン 辻村深月

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
辻村 深月 (2006/04/07)
講談社
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<少女を救うために計る、罪と罰の重さ>

この作家さんも初読みでした。今年は初読みがなぜか多くなりそうです。しかし、この作家さんは非常に注目されていて、その評価は高いですね。わたしも重い腰をやっと上げて読みましたが、期待通りの面白さ。上手いですねー。こりゃ、今年は辻村さんにはまりそうです。

忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。【BOOKデータベースより】


ここから、この作品を未読の方は、お気をつけ下さい。多々、ネタバレが含まれます。

仲良しのふみちゃんとウサギのエサやり当番を病気のため、替わったために負ってしまう心の傷がポイント。ウサギが無残に殺されてしまいます。このシーンはちょっとショッキングで、読んでいて、重たくなりました。それほど、残酷なんですね。
その残酷なウサギ殺しを目の当たりにしてしまうふみちゃんは、事件後、まったく心を閉ざしてしまうんです。ここから、ぼくの闘いが始まります。

もう一つの大切なポイントは、「ぼく」が「条件提示ゲーム」という特殊能力を持っていること。どうやら一族に脈々と伝わっている能力らしく、一人に一回しか使うことができない。この能力を使い、ウサギ殺しの犯人に罰を与え、ふみちゃんの心を取り戻したいと考え始めます。幼い小学四年生の心に罪と罰がのしかかります。

この能力のを使うために、同じ一族の教授である叔父さんを訪ね七日間にわたる、カウンセリングとノウハウを学びます。少年の出した結論とは何か。こうして、ラストまで行くんですが。
重いんですよね。罪と罰とは何かを読者に突きつけてくるんです。
「復讐」の連鎖は憎悪を生むためのものである。悪意は誰の心に潜むものであるとか。あなたならどうしますか?と突きつけられるんです。

昨今の幼稚園や保育園では、動物を飼わなくなっているとも書かれていましたね。人間の悪意によって、殺された動物。それが児童に説明がつかないからだそうです。分かるよなー。昨今、動物虐待が多いんですよね。そして、それを煽るかのような有害サイトというのも蔓延していますから。死というものが、希薄になっているこの現在の状況をどう考えたらいいんでしょう。

自分だったら、こうするなーと考えながら、一人ひとりが結論を最後に出してください。別に出せなくても構わないんですが。そんな、重い本なんですが、ここまで読ませる力量はこの作家、ただものではないです。

一級の心理サスペンスをぜひ。さて、次はどの作品を読もうかな。
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6時間後に君は死ぬ 高野和明

6時間後に君は死ぬ 6時間後に君は死ぬ
高野 和明 (2007/05/11)
講談社
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<運命は変えられるのか!タイムリミットサスペンスの秀作>

この作者は初読みだったのですが、予想外に面白かったのです。
映画畑出身、さらには脚本も手掛けた作者ですので、小説も映画的手法を存分に発揮。ジェット・コースターのような展開でした。

山葉圭史は幼い頃から、人の未来がビジョンとして、現われるという特殊能力を持っている。その圭史に未来を予言された人たちを描く連作短編集。

やはり、表題にもなっている「6時間後に君は死ぬ」が良かったですねー。美緒は、突然、若い男から「6時間後に君は死ぬ」と告げられる。
半信半疑ながらも、思い当たる節がある美緒は、圭史とともに、6時間後に起こる事件に、立ち向かう決心をするのです。
圭史の能力を疑いながらも、次第に信じるようになる美緒。しかし、誰が本当で、誰が自分を追い詰めようとしているのかわからないまま、ラストに向うのですが、その緊張感がたまらないですねー。
これぞ、タイムリミットサスペンスのお手本。

最終話の「3時間後に僕は死ぬ」はその姉妹編。その後の物語でもあるんですが、あまり触れることができないのが、つらい。だって、「6時間…」にも繋がっていますし。

その他の話も、どれも圭史の予知能力が背景にある話。
「時の魔法使い」は、幼い頃の自分に出会う話。ほんわかと温かな気持ちになって、元気になります。
「恋をしてはいけない日」は今日は恋をしてはいけないと告げられた女性が、ある事件が基で、恋をしてしまう話。怖い話でしたね。

私が好きなのは「ドールハウスのダンサー」
ダンサーの夢をあきらめず、ひた向きに頑張る女性。そして、まもなく閉じられようとしている、山里のドールハウス。二つの話が、最後に交差します。これがいいんですね。最後はとっても、清々しくて。
一生懸命に頑張れば、きっと運命は裏切らない。

うだつのあがらない生活や、夢がかなえられない毎日を生きている人、消せない過去を悔やんでいる人たちが、どう自分の運命を変えていくのかが書かれています。

運命は自分で変えていくしかないんですね。希望は希望として捨てずに。最後まであきらめなかったら、運命は裏切らないと言っているようで。まるで美緒と圭史のように。

好き嫌いはあるのでしょうが、わたしは、ミステリーとしても秀作だと思って読み終えました。
プロフィール

よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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