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ホテルジューシー 坂木 司

ホテルジューシー ホテルジューシー
坂木 司 (2007/09)
角川書店
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<「正しい」と思っていても、「余計なお世話」になる、ホテルの世界>

坂木さんの本年、二作品目を読みました。上手く形容できないんですけど、働く人シリーズ?業界シリーズ?何といっていいのか分からないのですけど、。この作者の描く世界が好きです。やはり、それぞれの職業の誇りが描かれているからなのでしょうねー。

大家族の長女であるヒロ。長女であるゆえに一家の面倒を見てきた。姉弟が大きくなって、手がかからなくなって、母に「これからは好きにしていいよ」といわれる。そんな大学生ヒロがバイト先に選んだのは、沖縄のC級ホテル。その名も「ホテルジューシー」。そこでは、奇妙で不思議な人たちが働いていた。

家族のために、必死で働いていた、娘がホテルで働くことに。様々な良かれと思って行ったことが、大きなお世話と疎んじられる。ホテルというところはそういう業界なんですね。「お客様のため」って、一体何と主人公は悩むのです。でも嫌いじゃない、こういう主人公。ホテルの一面も垣間見られて、楽しい。

超C級ホテルなんですが、ここで働く人たちが、個性的。昼行灯のオーナー代理。絶品の朝食を作る比嘉さん。客の私物を障るクメばあとセンばあ。とんでもない人たちなんですが、温かいんですねー。このホテルはお客さまのためという意識が徹底しているんです。そういう、環境に慣れていない、主人公ヒロはでしゃばりすぎてしまう。
お客の真相に気付いてから、悩むんですねー。

ホテルを舞台にして、であった客達の日常の謎が解き明かされてくんですが、解き明かすのは、不眠症で昼は寝ているため、ボーっとして、夜にはしゃきっとしているオーナー代理。
ヒロといい感じになっていくんですが、これがまたねー。
最後の話でいうんですね。
「世界は柿生さんがいなくても回るし、このホテルもいなけりゃいないでなんとかなる」
おい、そりゃ、ないだろーと思いつつ、そういうものなんですよね。社会って。自分がいなくては回らないと思いつつ、いなけりゃいないで何とかなる。
そうなんだよなー。自分があくせく働いているのは何のためなんだろうと思ってしまいました。

しかし、働くことって楽しい。主人公ヒロが、ホテルで出会った人たちによって、どんどん成長していく姿が爽快。
特に、「越境者」での若い今風の二人に合った話が泣かせる。夜遅くまで、遊びまくる二人。しかし、二人の間には、あるトラウマがあったのです。ヒロと二人の仲が、急接近しているラストが秀逸。泣かせます。

そんな、ホテルで出会う様々な人たちのお話。沖縄という舞台もすごく、温かくて大好きです。何より、比嘉さんが作る郷土料理の数々。
ああ沖縄に行きたくなる。

この作品は、「シンデレラ・ティース」の姉妹編だとか。ヒロの友だちのサキが主人公だったのか。ああ、読んでいないことが残念!
これは読まなくては。
とっても面白い作品です。坂木さんの描く、業界シリーズに目が離せない!!
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切れない糸 坂木 司

切れない糸 切れない糸
坂木 司 (2005/05/30)
東京創元社
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<クリーニング後のビニールは外さないとダメ>

父親の急死に伴い、家業のクリーニング店を継ぐことになった和也。最初の仕事は、御用聞き。クリーニング店と和也の周りで起きる謎を、爽やかに描く連作短編集。

本邦、初読みの作家さんです。本当は「ひきこもり」シリーズからと思ったのですが、こちらの作品が先に手に入りましたので。
この作品もぜひ、シリーズ化して欲しい作品ですね。それだけ、わたしにはあっていました。

やむなく、場当たりに家業を継ぐことになった和也。クリーニングのことは何も分からないのですが、周りの人たちが支えていきます。四つの事件が進むとともに。
母。パートの松竹梅トリオ。そして、アイロン職人シゲさん。みな温かくて、和也の成長を見守っていきます。
特にシゲさんがいいですね。なぜ、自分の店に住み込み同然で働いているのか。そして、なぜか映画にも造詣が深い。
一体、何者?

今や、こういう形のミステリーは珍しくなくなったのですが、敢えて説明すると、各話ごとにちゃんと謎が用意されていて、全体を通しての謎もあるという作品。そういう意味では、タイトルも謎かなー。

さて探偵役は喫茶店で働く沢田。学生時代の友人といえば友人なんだですが、喫茶店でバイトをしている身。その沢田が実に細やかに、和也を助けていきます。いつしか友情になっているところがまたいいのです。

と、いう内容ですが、わたしは特に第三話「秋祭りの夜」が好きですね。
商店街で秋祭りをするため、出し物を企画しなくてはいけない。その企画に和也が一働きするという話なのですが、秋祭りで商店街の人たちが、和也に労いの酒を振舞うのですが…。温かいんですねー、商店街の人たちが。プロが集まる商店街が寂れていくことや、消えていくことへの作者の思いも感じられますねー。

こうして、和也も周りの人たちに教えられ、成長していきます。
そしてクリーニングや服の知識も、どんどん吸収していきます。読者も一緒に学んでいくんですね。そこがいいんです。
そして、出会う人たちとの関係も、ますます広がっていきます。

とっても温かみを感じる作家さん。初読みは買いです。新作「ワーキング・ホリデー」も読まなくてはと、思ったのでした。

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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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