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レインレイン・ボウ 加納朋子

レインレイン・ボウ (集英社文庫) レインレイン・ボウ (集英社文庫)
加納 朋子 (2006/10)
集英社
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<ソフトボール部の仲間の死から、浮かび上がるそれぞれの人生>

加納朋子さんは、今年3冊目の読了です。どれも味があってよかった。この作品も読み逃していたのですが、集英社の夏の100冊で、思わず手に取った作品です。これもまた、いいんですよ。上手いんです。

高校を卒業して7年。ソフトボール部のメンバーの一人、知寿子が急死する。再会するメンバー達。知寿子の急死を基に、それぞれのメンバーの7年後が語られる。

それぞれのメンバー達が紹介され、現在が描かれます。主婦になっているもの。編集者、保育士、看護士、フリーター、栄養士、会社のOL。それぞれが、それなりに頑張って生きてるんですね。
それぞれの色を持ちながら。そんなことを考えているとタイトルの意味が分かってくるんです。
そして、各短編にもちゃんと色が使われている。なーるほど、うまいなー、この作者と思ってしまいます。

特に好きなのは井上由美子の章。栄養士である会社の食堂に派遣されるんですが、そこを仕切っているのは、三人の山本さん。人気もない食堂が縮小されるという噂を聞き、由美子は次々と斬新なアイデアで食堂を立て直していくんです。その過程が爽快です。そして、信頼を得るんですね。つまり、それぞれの話の各人がちゃんと成長しているという、青春小説でもあるんですね。
こういう話が好きなんです、わたし。

しかし、加納さんはミステリー作家。ちゃんと、各章に謎を用意しているから驚きです。それもちゃんと解決し、そして、主題でもあった知寿子という人物が語られていくんですね。うまい、うまい。

しかし、それだけではありません。ソフトボールは9人。ここで語られるのは7話7人。知寿子を入れて、8人。そして、最後語られなかったメンバーがいる。なるほど、そういうことかと、最終話までいって、気付くんです。

加納さんって、こういう作品が得意ですよね。入れ子っていうんでしょうか。ミステリーの中に、ミステリーをいれ、さらに全体を通しての謎を仕掛ける。ミステリーと読んでも面白いし、うまい。
しかし、この各人の生活をリアルに感じてください。どこかに、あなたやわたしもいるのではないでしょうか。
そして、読み上げた時、爽快にちょっぴり、元気になっているから不思議。
何度でもいいます、加納さんは、上手すぎる!



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ぐるぐる猿と歌う鳥 加納朋子

ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド) ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)
加納 朋子 (2007/07/26)
講談社
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<「ちゃちゃちゃちゃ」で謎を解く>

この作品は
ナナメモ
しんちゃんの買い物帳
粋な提案
まったり読書日記
の各ブログから、読んでみようと思いました。また内容なども参考にさせていただきました。ありがとうございます。

五年生の春、父親の仕事の都合で、北九州の社宅へ引越した高見森(シン)。東京では乱暴者のレッテルを貼られ嫌われ者だったが、不思議な仲間達と出会い、受け入れてくれ、友達となる。そして、幼い頃の記憶の片隅の事件も解けていく。

このお話のいいところから。
登場する少年少女の何とも個性的なことか。美少女あや、竹本五兄弟。その一人が同級生のギザ十。なぜギザ十か、ギザギザ十円玉を集めているかららしい。ココちゃん。そして、不思議で何でも分かる少年パック。この少年の境遇が何とも悲しいのですが。
そんな少年少女がこの物語で活き活きと、走り回っています。

そして、北九州弁が実に可愛い。語尾に「ちゃ」ってつくのが、特徴らしいのですが、可愛いんですよ。他にもいろいろ面白いのがあるのですけど、やはりこの「ちゃ」ですねー。どうやら、加納さん北九州に住んでたことがあるらしい。

挿絵も分かりやすくて、きれいでした。本当に子どもも大人も楽しめる本ですねー。

さて、この物語はシンの友情物語ばかりではないのです。大きなストーリーは幼い頃、パンダ公園の側の社宅で出会った女の子と、その事件。
その謎が柱かなー。思いがけず、謎が解けていくんですね。さすが加納さん。
しかし、疑問も。あやちゃん宅の玄関には、なぜパンダ公園の写真があったのか?パックはなぜ、ココちゃんちの「タンスの上を見ろ」といったのか?(まあ、パックはココちゃんから聞いたのでしょうが)
どなたか、教えてー。

パックの境遇と必死で守ろうとする子ども達に涙。そして、ラスト。自転車で坂をみんなで駆け下りるシーンにジーンとしてしまいました。
「ミステリーランド」は、初読みだったのですが侮れませんね。かって子どもだった大人と少年少女のために」という、うたい文句そのまま、とっても良かったです。

加納さんのあとがき通り、この仲間達で、続編「ちゃちゃちゃ探偵団」、ぜひとも期待しています。
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モノレールねこ 加納朋子

モノレールねこ モノレールねこ
加納 朋子 (2006/11)
文藝春秋
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<儚いけれど、揺るぎない家族という絆>

時間をこえて、遭遇する不思議な出来事。過去の思いが現在の自分に現われたとき、人はどんな思いになるのか。現実の中で失いたくないものと、「家族」という絆が主題の8つの短編集。

加納作品は久しぶりでした。「ななつのこ」や「魔法飛行」の初期の加納作品しか読んでいなかったので、どうかなと思って読んだのですが、良かったです。
こんなに切なくて、それでいて哀しみだけではなく、現在を前向きに生きる話、好きなんですね。読後も清々しいんですよ。

最初にある表題作の「モノレールねこ」は、家に現われたデブ猫。次第になつくようになるが、ある日、首輪があることを発見する。それから、首輪に手紙をつけてみる事に。そこから、見知らぬもう一人の飼い主との交流が始まるのだが。

「パズルの中の犬」はジグソーパズル好きの主婦が、ある日真っ白いパズルを買う事に。そのパズルから浮かび上がるものとは、幼いときに遭遇したあの光景。そこから、過去への回想が始まる。

「マイ・フーリッシュ・アンクル」は不幸な事故で家族を失った主人公。しかし、家族の中で残ったのは、毎日ごろごろしていた叔父さんのみ。二人の共同生活が始まるのだが、なぜ叔父さんがこの家に住み着くことになったのか。

特にお気に入りは「マイ・フーリッシュ・アンクル」です。不幸な事故で家族を失いますが、健気に頑張る主人公。グータラ叔父さんとの過去の思いを知ったとき、主人公共々、涙が出てくるんです。
まさにバカな叔父さん。しかし、そんな生き方を決して否定できないと誰もが思えてしまうんです。不器用なんだけど、そんな叔父さんが大好きなんです。ラストも爽快です。

すべての作品が粒揃い。日常の中で起こる不思議な出来事は、とっても切なく愛おしいものばかり。珠玉の短編集です。いつか読み返したい作品です。いいなあ、加納作品。
ぜひぜひ。
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よし

Author:よし
本好きですが、読むのは遅いです。読書メーターやってます。

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