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光/三浦しをん

光
(2008/11/26)
三浦 しをん

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<あの三浦しをんが、圧倒的な筆力で描くダークな小説>

久しぶりに三浦しをんさんの作品を読みました。
「きみはポラリス」以来ですね。恋愛小説や軽妙なエッセイを想像していたら、大間違い。
とんでもなく打ちのめされました。

暴力で人は救えるか。渾身の長編
生まれ育った島が天災に遭い、天涯孤独の身となった信之。しかも彼は愛する幼なじみを救うためにある罪を犯していた。島を離れて二十数年、心を閉ざして生きてきた信之を、過去の秘密が追ってくる。【集英社HPより】


この作品の感想は、「凄かった」の一言に尽きますね。何が凄いって、三浦しをんさんが、こんな暴力小説を書いたことが凄いんです。それも圧倒的な。久々にぐいぐいと、読む手が止まらない本に出会いました。ただ、救いがないですねー。凄いんですが、救いがない。最後まで「光」を探していたんですけど、どうやらわたしも裏切られました。
その辺は、インタビューがあるのでこちらを。

こうした犯罪小説は、傑作中の傑作、吉田さんの「悪人」や角田さんの「八日目の蝉」など、相当にインパクトが強くて、ラストが印象的でした。そして、余韻が残るんです。
しかし、この作品は後味の悪さだけが残るから、これまた作者の意図するところだったのかな。
そうだとしたら、三浦しをんさんは凄い作家になりえたと思います。ある意味で、この作品も圧倒的な筆力があってこそ、この物語を最後まで引き込ませてくれたと思います。
次の作品が三浦さんの凄さを再認識させられる予感がするのですが、どうでしょうか。

さて、作品の中味にも触れなくては。
島が壊滅するという大災害に見舞われながらも、生き残った信之、美花、輔。しかし、他に生存者などいないと思っていたのだが、3人の男が生きていた。
信之はいいます。
「なんでろくでもないやつばっかり生き残っているんだ」

それから、15年後、それぞれが、それぞれの生活をしているのですが、この島で起こしてしまった、過去が3人を蝕んでいきます。復讐のため、あるいは、信之に甘えたいため?信之の妻に誘いをかけます。やがて、輔の父親も現れ、この父親がどうしようもなく、輔に暴力をふるい、3人が3人の思惑をかかえ、物語が進んでいきます。
果たして、15年前の過去から逃げ伸びることができるのか。

この3人の駆け引きと、信之の妻の何気ない日常がそれぞれの視点で描かれるのですが、信之の心情がイマイチわたしにはわかりませんねー。家族や家庭が欲しかったのかなー。根底には忘れられない美花という存在があるのに。むしろ、輔より信之の方が哀れですよね。

片や女性たちは、したたかです。むしろ、怖い。妻、南海子の日常を守ろうとした最後の決意。真相を知りつつ、暴発するかわからない暴力の中で生きていく決心をするのですが、これが恐い。
そして、今や有名になって、己を守るがために、信之を利用する美花。典型的なワルな存在ですね。

暴力には暴力しかないのでしょうか。
「もう人間の世界にはいられない」
ここに登場する人々はすでに暗い闇を目指しているのかもしれません。
つまり、そちらの「光」だったのですね。
いやー、それにしても凄かった。

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No title

暴力の前では私たちにはなすすべがないのか
なんだか絶望的になる物語でしたね~。
しをんさん容赦なかったなぁと思います。
重々しい読後感を、かなり引きずりました

No title

重くて重くて、目を背けたくなるような作品でしたが、読まされてしまいました。
しをんさん、凄い筆力です。

>「もう人間の世界にはいられない」
ここに登場する人々はすでに暗い闇を目指しているのかもせれません。
つまり、そちらの「光」だったのですね。

このくだり、納得です!!

No title

>エビノートさん
こんばんは♪
とんでもない暴力の話でしたね。これが、しをんさんだということが、びっくりです。ここまで容赦なく書いていただくと、次回作は本当の光を与えてほしい。などと思ってしまいます。
読後は、打ちのめされました。

>ゆうさん
こんばんは♪
重かったですねー。辛いんですが、読んでいるというとんでもない作品でした。これぞ、直木賞作家と思わせる筆力でした。
「光」とは明るいところを指しているものと思っていましたが、暗い闇を照らす「光」というのも強烈に凄かったです。
しかし、どこかで救ってほしかったなー。

ありがとうございます

インタビュー記事も知らせていただき、ありがとうございます。
「人を暗いほうに導く光」
なるほどこういう発想もあるのか!って感じですね。
やっぱり凄いわ~。

Re: ありがとうございます

>むつぞーさん
そうなんですよ。びっくりでしょ。
暗い方へ導く光って、凄すぎません?
あらためて、この作品の凄さを思い知らされました。
でも、あまり受けは良くないですよね(笑)
わたしは、好きではないけどこの作家の力量を見た気がしています。
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